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【BOOKガイド】墓が語る江戸の真実

2019年03月25日

今回ご紹介するのは「墓が語る江戸の真実」です。前回ご紹介した「墓石が語る江戸時代」と実に似通ったタイトルですが、前回の書籍が、膨大な数の墓石のフィールド調査をすることで、江戸時代から現代に続く社会、経済情勢などを考察した、社会学の書籍であるのに対し、今回の書籍は、江戸時代の大名やその関係者などの墓が置かれた場所、掘られている戒名、墓石の形状などから、歴史上の人物の人間関係を紐解いた歴史書です。著者は、日経新聞社で編集局長なども務められた岡崎守恭さん。岡崎さんは自らを、『歴史の研究者ではなく旅行者、正確に言えば歴史好きな出張者』であると称されています。日経新聞社時代に全国各地を取材等で訪れた際に、歴史好きが高じて多くの墓域を巡り歩き、墓石や灯籠を眺めて『なるほど』と頷いたことの集積なんだそうです。普通の人なら墓石を眺めても『なるほど』と頷けないですよね。それだけの知識をお持ちだった著者だからこそ記すことができた名著です。

 

書籍名称:墓が語る江戸の真実(新潮新書)

発行元:新潮社

価格:799円

販売店:全国の書店、インターネットストア

書籍の概要

 著者は墓を見て、『誰がこんな墓石を建てたのか』『どうしてこんな形なのか』『なぜこんな配置なのか』を見聞し、多くの史料を調べ付き合わせることで、「時代の真実」がありありと分かるようになると説いています。この書籍は、墓石を介して墓に葬られた人たちと、墓石を建てた人たち関係者の人間関係を著した書籍です。NHKの大河ドラマをはじめとする歴史ドラマや、歴史(時代)小説などにも頻繁に登場する江戸時代の著名人たちのドラマが語られます。

 とくに第1話で語られるお由羅の方のエピソ―ド、第10話の赤穂浪士のお墓のエピソードが、個人的には実に面白かった。筆者は歴史通ではないため、赤穂浪士に関しては、討ち入りした47人、切腹した46人、高輪泉岳寺にある墓石が48基、しかし実際に埋葬されているのは45人、と数が異なっている理由についても初めて学ばせていただきました。

目次

第1話 死んでもお前は隣――お由羅と島津斉興【鹿児島・福昌寺】

第2話 死んでも母が一番――お江と徳川忠長【高野山奥の院】

第3話 死んでもお前は別――鷹司孝子と徳川家光【小石川傳通院】

第4話 死んでも穴から見てる――春日局と淀藩稲葉家【湯島麟祥院】

第5話 死んでも思いは豊臣――松平秀康と越前家【福井・大安禅寺】

第6話 死んでも落ち着けず――お保良と柳沢吉保【上野寛永寺】

第7話 死んでも兄上が上――前田利久と利家【金沢・野田山墓地】

第8話 死んでも見捨てられず――高尾太夫と榊原政岑【池袋本立寺】

第9話 死んでも悪評は続く――藤堂高虎と徳川将軍家【春日大社】

第10話 死んでも戒名に差別――寺坂吉右衛門と赤穂義士【高輪泉岳寺】

 

岡崎守恭氏のプロフィール(書籍著者情報から)

1951年東京都生まれ。早稲田大学人文科卒業。日本経済新聞社入社、北京支局長、政治部長、編集局長(大阪本社)などを歴任。歴史エッセイストとして、国内政治、日本歴史、現代中国をテーマに執筆、講演活動中。