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【BOOKガイド】一緒にお墓に入ろう

2020年02月21日

今回は小説です。主に銀行を舞台とした骨太の経済小説を得意とする江上剛さんの作品。かなり意外な感じを受けました。こんな分野も書くのですね。ただし主人公はメガバンクの執行役員と、設定がお得意な人物。江上さんご自身が60歳半ばを超えていることから、墓の問題に興味があったのかもしれません。軽いタッチのコメディ小説と言ってよいかと思います。

 

書籍名称:一緒にお墓に入ろう

発行元:扶桑社

価格:1,650円

販売店:全国の書店、インターネットストア

書籍の概要

大手銀行の常務執行役員までのぼりつめた主人公、大谷俊哉。一見家庭は円満、仕事は順風満帆に見えますが、内実は13年来の愛人がいて、仕事への情熱もとうに失っているという人物です。そんな彼の郷里である兵庫県丹波に残していた母が亡くなります。葬儀は家族葬で済ませますが、長男である大谷は祭祀相続しなければなりません。葬儀から帰る新幹線の中で、妻から「私はあなたの田舎のお墓には絶対に入らない」と宣言されてしまいます。途方に暮れた大谷はつい愛人に、「一緒に墓に入ってくれ」と言ってしまうのです。この一言が大谷の人生を大きく狂わせることになるとは知らずに。さて、大谷俊哉の人生はどうなるのでしょう。

 

ビジネス小説だけでなく、ビジネス書の執筆もされている江上さんなので、入念な取材のもとに書かれたであろう本書には、霊園詐欺、納骨ビル、墓じまい、離檀料、埋蔵証明書、閉眼・開眼供養、熟年離婚や死後離婚といった、現代のお墓事情、終活事情を巡るテーマが随所に出てきます。ただ、ストーリー特にエンディングは、ちょっと奇をてらいすぎかなぁ、という感じでしょうか。江上さんは、「隠蔽指令」や、「ラストチャンス 再生請負人」などドラマ化もされた作品もありますが、この小説も案外ドラマ化すると面白いかもしれないですね。お得意の銀行の内部事情、トリビア的な話も盛り込まれていて、その点でも楽しく読むことができました。

 

江上剛氏のプロフィール

本名小畠晴喜(こはた・はるき)。1954年兵庫県生まれ。第一勧業(現みずほ)銀行に入行し、築地支店長を最後に退行。銀行在職中の 2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビューをする。金融界・ビジネス界を舞台にした金融エンタテイメント小説を中心に執筆。著書に『庶務行員多加賀主水が泣いている』(祥伝社文庫)、『起死回生』(新潮文庫)、『腐 蝕の王国』 (幻冬舎文庫)、『ザ・ブラックカンパニー』(光文社文庫)、『隠蔽指令』(徳間文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)など多数。