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【BOOKガイド】エンディングドレス

2018年07月19日

今日ご紹介する書籍は小説です。タイトルは少し前に記事にした、まさに終活ど真ん中の言葉である「エンディングドレス」です。著者は、蛭田亜沙子さんという女性作家さんで、2008年に「自縄自縛の二乗」という作品で新潮社「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞されて作家デビューしました。これからが期待の作家さんです。

 

書籍名称:エンディングドレス

著者:蛭田亜沙子

発行元:ポプラ社

価格:1,620円(税込)

販売店:全国の書店、インターネットストア

ストーリーの概要(ちょっとネタバレです)

主人公は、麻緒という32歳の女性です。人生これからというときなのに、夫に先立たれてしまいます。最愛の夫を亡くした麻緒は、人生に絶望し自らも夫の後を追うことを考えるようになります。

そして、死を選ぶことを決意し、その準備をしようとしていたときに、風変わりなポスターを見つけます。それは、「エンディングドレス」を縫うという「終末の洋裁教室」の案内でした。

自分の死装束を自分の手で縫うということに惹かれた麻緒が、教室を訪れると、そこでは不思議な雰囲気を持つ講師と、3人の明るいおばあさんが生徒として出迎えてくれました。

教室では、エンディングドレスに取り掛かる前に、いくつかの課題をこなすことになっていました。その課題とは、

はたちの時にいちばん気に入っていた服

15歳の時に憧れていた服

自分以外のだれかのための服

自己紹介代わりの服・・・・・・

麻緒は、講師と3人のおばあさんと一緒に、いくつもの洋服をつくりだします。洋服をつくるときに思い浮かぶのは、忘れかかっていた自分の人生。人との関わり。教室の同級生でもある、おばあさんたちの人生や想いにも触れる中で、麻緒は心の中で何かが少しずつ変っていくことを感じていました。

 

果たして麻緒のこれからは・・・・・

 

読後感

喪失をした人の再生ストーリーです。そのきっかけとなるアイテムに、今注目を集め出しているエンディングドレスを持ってきたのは実に秀逸だと思います(実に自然にストーリーが展開します)。麻緒が課題としてつくった洋服でなくても、人は実際にエンディングドレスをつくるとき、これまでの人生を思い出しながら縫い進めるのだろうな、と感じながら読んでいました。そして、やはり自分で縫わないとね、とも思いました。

序盤は、結構重く感じますが、人生を再び歩き出す勇気と、エンディングドレスという死出の旅立ちの服をつくる意義の2つを見つけることができる小説です。

 

 

蛭田亜沙子氏のプロフィール(書籍著者情報から)

1979年北海道札幌市生まれ。2008年新潮社主催第7回「女による女のための文学賞」大賞を受賞。10年『自縄自縛の私』を刊行しデビュー。