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【BOOKガイド】無葬社会 ~彷徨う遺体 変わる仏教~

2018年10月29日

今日ご紹介する書籍は、僧籍にありながらジャーナリストでもある、鵜飼秀徳氏の著作です。ここで言う「無葬」は、『お葬式が行われない』という意味のようです。この無葬社会化しつつある現代の課題をえぐった、衝撃的な内容の著書です。

 

書籍名称:無葬社会 ~彷徨う遺体 変わる仏教~

発行元:日経BP社

価格:1,836円(税込)

販売店:全国の書店、インターネットストア

書籍の概要

 超高齢化社会に突入した日本は「多死社会」を迎えつつあります。団塊の世代が70代に突入し始め、今後20年以上にわたって亡くなる人が150万人を超える社会になることを避けることはできません。その上、現在の日本では次のようなさまざまな問題が起こっています。

・首都圏では火葬場が混み合って「火葬10日待ち」

・「遺体ホテル」なるビジネスが登場

・スーパーのトイレに遺骨が捨てられる

・都市部では高齢者の孤独死が続々見つかる

 取材を通して得られたこれらの事象をあげながら、その原因は日本の「ムラ」社会の崩壊にあり、それとともに地方で消滅する寺院やお墓といった問題も提起しています。現代日本の葬送に何が起きているのか、をまとめたレポートです。

 現代日本は、直葬や家族葬と称する小さなお葬式が注目を浴びて、伝統的なお葬式という儀式が敬遠される風潮もあります。著者は無葬社会に対する直接的な意見、回答は述べてはいません。しかし、仏教の将来に対する危機感などからも感じとれるのは、現代日本の葬送全般に対するアンチテーゼではないかと思います。

目次

(第1章)彷徨う遺体と遺骨

火葬10日待ちの現実

遺体ホテルが繁盛する時代

増える献体、捨てられる遺骨

超高齢社会が招く孤独死の悲劇

孤独死現場を「リセット」する人たち

(第2章)変わりゆく葬送

葬儀のない葬儀場

都心のビルに一万基の遺骨

日本海に浮かぶ散骨島

理想の墓が新潟にあった

無数の遺骨を集めて仏像に

お坊さん便、食えない僧侶を走らす

仏具屋が見る「寺院消滅」

(第3章)縁を紡ぐ人々

孤独死を防ぐ縁のかたち

路上生活者を供養する僧侶

難民キャンプに図書館を

地域再生と寺院

都市と地方の寺院をつなぐ

(第4章)仏教存在の意義~原始仏教研究者・佐々木閑氏に聞く~

日本仏教の特殊な成り立ち

今を生きる人のための仏教

社会の受け皿としての仏教

「律」の精神で現代日本を見直すと

本質ではなく、かたちが変わってゆく

(資料)現代社会における葬送データ

 

鵜飼秀徳氏のプロフィール(書籍著者情報から)

1974(昭和49)年6月、京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社に入社。2005(平成17)年、日経BP社に中途入社。「日経ビジネス」記者などを歴任。2016(平成28)年4月より「日経おとなのOFF」副編集長。事件、政治、経済、宗教、文化など幅広い取材分野の経験を生かし、企画型の記事を多数執筆。一方、浄土宗僧侶の顔も持つ。1994(平成6)年より浄土宗少僧都養成講座(全3期)に入行。1996(平成8)年に伝宗伝戒道場(加行)を成満。現在、正覚寺副住職。