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相続人がいない場合に遺産はどうなるの?

2019年07月10日

人が亡くなると相続人が遺産(負債含めて)を相続します。複数の相続人がいれば遺産分割が行われますし、故人(被相続人)が負債を抱えていたら、相続人が遺産の中から支払ったり、不足していれば相続人が持ち出しで負債を返済したりします。このように遺産を整理することを「相続財産の管理」といいます。ところが相続人がいないため管理する人がいないというケースが多々あります。そのようなときに相続人に代わって遺産を管理するのが、相続財産管理人です。

相続人がいないのはこんなとき

 独り暮らし高齢者の孤独死というニュースが決して珍しくない時代です。相続人がいないために、自治体が埋葬を行うケースも増えています。法定相続人がいない場合でも遺言状が遺されていれば相続人を特定できるのですが、それもない場合には相続人不在となります。

 もう1つは、全ての相続人が相続を放棄した場合です、事情はさまざまかもしれませんが多くの場合は故人(被相続人)が負債を抱えている場合でしょうね。この場合も同様に相続人不在となります。

相続財産を管理する人がいないと

 民法では(951条)相続人の不在が明らかなときに相続財産は法人となると定められています。つまり権利義務の主体となる資格が与えられるわけですね。しかし、人であるだれかがその管理をしないと、権利義務を行使することはできません。民法では所有者が存在しない財産は国庫に帰属させるとありますが、これも帰属させる手続きが必要で、自然に国のものになるわけではありません。また、故人が負債を抱えていた場合に、負債の返済手続きを債権者が勝手に行うこともできません。そのために、故人の財産を適正に処分するため、相続財産管理人が必要になるのです。

相続財産管理人はどのように選ばれるのか

 裁判所ウェブサイト(裁判所全体の情報を掲載、全ての裁判所のポータル)には、申立人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てることで選任されるとあります。申し立てることができる人は、①被相続人の債権者、②法定相続人以外の遺贈を受けたもの、③被相続人の特別縁故者(内縁関係にある人や、法定相続人以外で故人の世話をしていた人などです)、④検察官とあります。相続財産管理人に選任されるのに特別な資格は必要ないのですが、故人との関係性、利害関係の有無などを考慮した上で、管理をするのに最も相応しい人が選ばれるとあります。当然法律の知識が必要なので、弁護士、司法書士などが選任されるケースがほとんどだと思います。

財産処分の流れ

 一般的な流れは次のようになっています。途中で相続財産が無くなったところで手続きは終了となります。

① 家庭裁判所が相続財産管理人を選任したことを公告する

② 公告から2カ月を経過したら相続財産管理人は、相続財産の債権者または受遺者の存在を確認する公告をする

③ ②から2カ月を経過したら相続財産管理人は家庭裁判所に6カ月以上の期間を設けた相続人を探す公告をするように申し立てる

④ ③の満了後3カ月に限りに特別縁故者から相続分与の申し立てを受けることができる

⑤ 相続財産管理人は、債権者等への支払い、特別縁故者への相続分与手続き等を行う

⑥ ⑤までの処分をして相続財産が残った場合は、国庫に帰属させる手続きを行う

増えている相続財産管理人

 裁判所ウェブサイトには司法統計も公表されています。それを見ると相続財産管理人の選任数の推移は次のようになっていて、2017(平成29)年には2万人を超えています。1949(昭和24)年には、たった56人しか選任されていません。70年弱で377倍にもなっている、これは相続放棄の数も増えているのでしょうが、身寄りのない故人が増えているということでもあるのでしょう。いずれにしても、時代が変わったことを証明する事象の1つといえそうです。

  1949年 1985年 2008年 2017年
選任された相続財産管理人の数 56人 2,567人 12,382人 21,130人

 

 自分自身に相続人がいない場合には、相続管理人が代わって処分してくれるわけですが、遺す財産をどのように処分したいのかを遺言状や終活ノートのような明確な形で遺しておくことが、相続管理人に対する意思表示となりますね。