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終活 の参考に。 相続 法改正に伴う法務局での 遺言書 保管制度がスタート

2020年07月27日

2018(平成30)年の7月に、40年ぶりに相続法(民法)が改正されました。これまでも、次の記事などで概要をお伝えしてきています。

「特別寄与料の請求権」 

「配偶者の居住権の保護」と「遺産分割制度の見直し」

この相続法改正と合わせて遺言書(状)に関する「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立して、2020年7月10日に施行されました。施行によって、自筆証書遺言書を公的機関である法務局が保管してくれることになったのです。遺言書の作成と保管は、終活の一環としても重要な内容ですので、今回はこの遺言書保管制度を簡単にご説明しましょう。

遺言書の種類

遺言状という単語のほうが何となくしっくりきますが、法律用語としては遺言書が正解です。遺言書には、大きく分けて「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の2つがあります。公正証書遺言とは、公証役場に赴いて法律の専門家でもある公証人2人以上の立ち会いのもとで、厳格な方式で作成された遺言で、効力を公証人が担保するとともに、その原本も公証人が厳重に保管する安心、安全な遺言書の形式です。また公正証書遺言は家庭裁判所での検認手続(相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続)が不要となります。一方で自筆証書遺言は、15歳以上であれば誰でも自分の意思で(自由に)作成することができますが、その保管も自身で行う必要がありました。また、遺言者の死後に相続人たちは家庭裁判所で検認手続を行わなければなりませんでした。自宅などで保管するので、遺言を紛失したり、あるいは誰かに開封されたり、場合によっては破棄・改ざんされるというリスクも存在していました。

保管制度のメリットと手続き

最大のメリットは、法務局で遺言書を保管してもらうことで、遺言書の紛失や、改ざんなどを防ぐことができることです。また、家庭裁判所での検認手続も不要となるために、遺産を譲り受ける側にとっても、手続きの簡素化、相続を早期に開始できるといったメリットがあります。

遺言書を法務局で保管してもらうための流れは次のようになります。

① 自筆証書遺言書を作成する

② 所定の様式で申請書を作成する(法務局の窓口から入手、または法務局HPからダウンロード)

③ 保管の申請ができる遺言書保管所(法務局)に、保管申請の予約をする

④ 予約日時に遺言書保管所に遺言者本人が出向き保管の申請をする

  • 申請手数料は1通につき3,900円

⑤ 保管証を受け取る

相続人、受遺者、遺言執行者に対する通知制度

遺言書を保管してもらうだけでは、相続人等の関係者は、保管されているという事実を知ることはできません。そこで本制度はオプションとして、相続の関係者に対して遺言書が遺言書保管所に保管されていることを知らせる「通知」という仕組みが設けられています。この通知制度によって、遺言書の存在が相続人等には明確になりますので、遺言書を無視する相続ができなくなる、というわけです。初めからセットにすればいいのに、とも思いますが、この辺りが行政手続きの面倒くさいところですね。この通知制度を活用しない場合には、エンディングノートなどに、遺言書を作成し遺言書保管所に預けていることを明記しておくのが良いと思います。

自筆証書遺言保管制度で気をつけること

自筆証書遺言は、先に記したように自由に記述することができます。そのために、遺言書として効力をもたせる記載になっているかどうかが、最大のポイントとなります。法務局では遺言書の書き方は教えてくれませんし、有効な遺言書であるかどうかまではジャッジしてくれません。あくまでも責任をもって預かってくれるだけです。また、先に記した通知制度を活用しない(エンディングノートなどにも記していない)場合には、折角作成して保管してもらっている遺言書の存在を、相続人たちが知らないまま相続が進んでしまう危険性もあります。

 

遺言書を遺す最大のメリットは、相続人間の紛争回避です。また、遺産の分割方法について相続人全員で協議する必要がなくなることもメリットの1つです。そう考えると、紛争回避を目的とする遺言書であるなら(つまり、紛争が起きかねないと心配な場合ですね)、公正証書遺言がベストです。相続人同士の関係性が良好で、紛争などは起きないという絶対的な自信があって、遺産分割協議で困らせたくない場合に、この制度が最も有効なのではないかと思います。ただし、折角残した遺言書が無効とされる内容では悲しいので(亡くなっていますが)、弁護士など法律に詳しい専門家に助言を求めるのが無難でしょう。