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市民葬・区民葬の利用方法

2017年6月13日

お葬式の形態や種類の中には、意外と耳慣れないものも多いですね。筆者が最近知った1つに「市民葬・区民葬」というものがあります。市民、区民というから行政サービスの一貫のように思えますが、実際のところはどうなんでしょう。利用方法は難しいのでしょうか?

市民葬・区民葬はどんなお葬式?

市区町村が葬儀社や斎場と提携して、住民サービスの一貫として提供しているお葬式プランです。ただし全国すべての自治体が行っているわけではなく、東京都では歴史も古く昭和初期からスタートしていて全市区で制度化されているようですが、制度化されていない市町村のほうが圧倒的に多いです。東京都のケースでいうと、各市区と葬儀社が規約に基づいた契約を結び、一定の金額内で葬儀サービスを提供する、というものです。自治体から補助金等が出ているわけではありませんが、比較的リーズナブルな金額であること、自治体のお墨付きともいえるので、いい加減な葬儀社は含まれていない、というメリットはありそうです。

市民葬、区民葬を利用できるのは

基本はその自治体の住民であることです。故人が住民である場合、施主が住民である場合、いずれかの場合に利用できる自治体が多いようです。

申し込み方法

はじめに、市民葬・区民葬のサービスを自分が住んでいる自治体が提供しているかどうかを調べないといけないですね。自治体のホームページで「葬儀」「お葬式」「市民葬」「区民葬」などのキーワードで検索してみてください。「市民葬儀」「区民葬儀」あるいは「◯◯市規格葬儀」などが検索結果に表示されたら制度を設けている自治体ということになります。もっとも、制度名は自治体独自のものなので、これらの言葉がヒットしなくても検索で表示された言葉の説明文にも目を通すようにしてください。

それぞれのホームページに、利用(申し込み)方法、利用金額、提携葬儀社一覧などが記載されています。申し込み方法は大きく、①自治体に申し込む場合、②葬儀社に申し込む場合の2パターンがあるようですが、いずれも難しくはないようです。

利用金額と注意すること

お葬式の費用は全国平均で約198万円(2014年財団法人日本消費者協会実施アンケート『第10回葬儀についてのアンケート調査』から)ですが、市民葬・区民葬の場合は、平均50万円程度のようです。ただしこの金額には宗教者(僧侶、神父・牧師など)へのお礼(平均約45万円)と斎場費用(火葬と休憩室利用料など、平均10万円~20万円くらい)が含まれていませんが、それを加算しても120万円以下で済むことになります。かなりリーズナブルですが、ここに注意すべきことが潜んでいます。さきほども記しましたが自治体から補助金は出ていません。葬儀社は営利企業でボランティアではないので安価にできる理由があるはずです。その理由は、必要最小限のサービスメニューと、会場、祭壇、装飾の類も一番安価なものなのだと推測できます。自治体と提携しているという事実は企業の信頼性を高めますが採算割れにすることはないでしょうから、安いには安いなりの理由があるんです。さすがに「安かろう悪かろう」では自治体のお墨付きは得られませんので、きめ細かなサービスは求めることができない、ということですね。

どんなお葬式にしたいのか、それをよく考えた上で(もしも自分が住んでいる市や区に制度があれば)選択肢の1つにしても良いかもしれませんね。