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離檀料をめぐるトラブルにご用心

2019年05月30日

厚生労働省が公表している衛生行政報告例という調査報告があります。その中に毎年の埋葬・火葬・改葬数の統計データがあるのですが、それによると、2007年に全国で73,924件だった改葬が、2017年には104,493件と40%以上増えています。改葬とは、定められた手続きを踏んでお墓を別のお墓に移転することです。遠隔地の郷里から身近な場所にお墓を移転する人も増えているのかもしれませんね。

 墓所が寺院だった場合にお墓を移転するということは、そのお寺の檀家を離れることになります。いわゆる離檀というやつですね。この離檀をするときに要求される、離檀料のトラブルが多発しているというのです。

 ところで「墓じまい」という言葉もありますが、このサイトではお墓を移転するために元のお墓を撤去・処分することを「墓じまい」としています。つまり改葬と「墓じまい」は同義という位置づけです。改葬と「墓じまい」についての考察はまた別の機会にしたいと思います。

離檀料とは何か

 まずは離檀料とはどういう代物なのか整理しましょう。この言葉はマスコミが命名したようです。離檀料というと何かの料金のように受け止めがちですが、本来はお寺や僧侶に渡す金銭は全て、何かの対価としてではなくお礼をお布施という形で渡すものです。改葬に限らず、昔から檀家を離れることはありましたから、その際にこれまでお墓を守り供養してくれてきたことに対するお礼(お布施)が現在の離檀料ということになります。お布施なので、他のお布施同様に相場というものは存在しません。常識的には、法要1回分のお布施の額(10万円から30万円程度)が妥当といわれています。

高額離檀料のトラブル

 この離檀料がトラブルの種になっています。国民生活センターへの相談件数も増えているようで、「離檀料250万円を請求された」「500万円支払えと言われた」といった相談が寄せられています。調べてみると、1,000万円を超える離檀料を請求された、なんて事例も見つかりました。国民生活センターは、離檀料はお布施なので明確な基準がないため、金額に納得がいかない場合はお寺と話し合うこと、を説いています。お布施なので本来はお寺側が金額の提示をすること自体おかしな話なのですが、話し合っても折り合いがつかない場合はどうすればよいでしょう。法的にはなんら義務が発生しないものですから、お布施を渡すのをやめてしまえばいいのかもしれませんが、ここで1つ問題があります。それは、お墓から遺骨を取り出すには、墓地の管理者から「埋蔵(埋葬)証明書」を発行してもらう必要があるのです。つまりお寺は、離檀料を支払わなければ、改葬、墓じまいは認めない、と「埋蔵(埋葬)証明書」を盾に取っているのが、このトラブルの根底にあるようです。

宗派の本山や法律の専門家に相談を

 お寺とのトラブルになってしまったときに、国民生活センターは仲裁役にはなってくれませんが、発行している「国民生活」という冊子の2015年2月号では、お寺が所属する宗派の本山に相談することを勧めています。お布施である以上金額に決まりはないはずです。宗派の親分から指導してもらえば、きっと丸く収まると思われます。ただ、この場合には本山にもお布施を包まないといけないでしょうね。また、弁護士などの法律の専門家に相談して、和解の仲介をしてもらうのも1つの方法となりそうです。無論弁護士費用は発生します。トラブルになってしまった以上は、離檀料を減額するための経費がかかってしまうのは仕方ないかもしれません。

改葬(墓じまい)に改葬許可は必須です

 ところで、「埋蔵(埋葬)証明書」がないと改葬に必要な「改葬許可証」を入手することができないのですが、改葬するのに「改葬許可証」は必ずしも必要ないといっているサイトも見かけます。手元供養には不要な手続きだからとか、民間の墓地や寺院では手続き不要のところがあるから、などの理由をあげていますが「墓地、埋葬等に関する法律第5条」および「同法施行規則第2条」で明確に改葬には市町村長の許可が必要とされています。つまり、手続きを経ていないと不法行為となることは認識してください。

 

 長年にわたってお墓を守ってくれたお寺と、こじれるのは望ましいことではないですよね。このようなトラブルになる原因の1つに、お寺とのコミュニケ―ション不足があげられています。常日頃から、お墓にお参りをし、お寺と良好な関係を築き、改葬や墓じまいについても、決める前から相談をしていれば、このようなトラブルの発生を防止できるのではないかと筆者は思います。

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