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2020年のお盆はいつからいつまで

記事公開日:2020.07.07/最終更新日:2023.05.10

日本の夏の風物詩ともいえる「お盆」。「お盆休み」という言葉があるように、日本ではこの時期に休暇をとって、お盆を家族全員で迎えるという風習が残っています。かつては企業や官公庁も夏季休暇が一斉休暇であるところが多く、このお盆の時期に合わせて休暇が設定されていました。近年は、個別休暇のところが増えて、お盆の時期をずらして休暇を取得する人も増えてきて、日本全国の風物詩から少し変容してきているのは寂しいですが時代の流れなので仕方ないですね。一斉休暇時代には、お盆の時期は夏季休暇の日程を見れば分かりましたが、今ではそこでお盆の時期を確認することはできませんね。そこで、今更ではありますが、意外と知らない人も多いと思われる、お盆はいつからいつまでなのか、考えてみましょう。

日本各地で異なるお盆の時期

明治時代に太陽暦(新暦)が採用されるまでは、道教に由来する中元節の日である太陰暦(旧暦)の7月15日がお盆の中日でした。1873(明治6)年に太政官布告で、太陽暦の採用とともにお盆の中日を新歴の7月15日とすることを原則とされましたが、7月15日は農繁期にあたる地域が多いためお盆を行うには支障があるということで、ひと月遅れの8月15日をお盆の中日とすることが全国に広がったのです。一方で都市部である東京などは、農繁期とは関係ないために新暦の7月15日をお盆の中日とするようになりました。また、かつて養蚕が盛んだった東京都多摩の一部では、養蚕の閑散期にあたる新暦の8月1日をお盆の中日としています。それ以外にも、沖縄や奄美地方のように旧暦の7月15日をお盆の中日とする太陰暦時代の名残が残っているところもあります。

2020年のお盆の暦

2020年の場合は、それぞれ次の日程となります。

① 新暦の7月15日が中日~7月13日(月)から7月16日(木)~:東京都、福島県、山形県、千葉県、函館市、横浜市、静岡市、栃木市、金沢市などの一部

② 新暦の8月15日が中日~8月13日(木)から8月16日(日)~:ほぼ全国

③ 新暦の8月1日が中日~7月30日(木)から8月2日(日)~:東京都西東京市の旧田無市域、小金井市、国分寺市、府中市、調布市の旧神代町域、小平市、岐阜県中津川市の旧付知町および旧加子母村などの一部

④ 旧暦の7月15日が中日~8月31日(月)から9月3日(木)~:沖縄、奄美地方など

この時期は、同じ市内であっても共通するとは限りません。例えば、この町は7月15日だけど、こっちの町は月遅れというようにかなり地域性に富んでいます。また、現代は人の動きが盛んなので、都市部に移り住んできた人が故郷のお盆の時期を受け継いでいるために、周囲は7月15日が中日でも、その家だけ月遅れの8月15日が中日、というケースも多いのだと思います。

お盆の由来

ところで、お盆という行事は仏教の祭事である仏事とは少し異なり、日本古来の祖霊信仰と仏教が融合したものといわれています。そして「お盆」という言葉の由来は、仏教の行事である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といわれる行事だといわれています。この行事は中国の南北朝の時代(西暦500年代)に梁という国で初めに行われたという説が一般的で旧暦の7月15日を中心に7月13日から7月16日までの4日間に行われ、父母や先祖の霊を供養したり、親族以外でも故人を偲ぶ行事です。この「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が日本に伝承され、600年代、700年代に宮中の公式行事として開催されたという文献も残っています。この仏教行事が、日本で古来より行われていた先祖の霊を祀る行事と合体した民間行事として現在の「お盆」の形になり、広く民衆に定着していったといわれています。

 

新暦の7月13日からお盆の地域は、もう来週に迫っていますので、少し間に合わないかもしれませんが、次回はお盆の準備と、お盆で行うことを取り上げたいと思います。