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施餓鬼会とは何か

2021年07月08日

仏教思想には、輪廻転生する先となる6つの世界があります。それが、天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六道(ろくどう、りくどう)です。生前の行いの報いを受けて、六道の1つである餓鬼道に堕ちた者は餓えと乾きに苦しみ続けるとされています。その餓鬼道に転生し苦しむ者に、飲食を施し念仏を捧げ餓鬼道から解き放つことを目的とする法会(ほうえ)を施餓鬼会(せがきえ)といいます。

施餓鬼会は仏事である

施餓鬼会は寺院で執り行われる仏事です。施餓鬼会によって餓鬼を救い、その功徳を先祖供養のために振り向ける法要です。人が死ぬと等しく成仏するという教義を掲げる浄土真宗には餓鬼道という概念が存在しないため、浄土真宗の寺院では施餓鬼会は行われませんが、それ以外の宗派では、1年間を通して行う大切な法会として位置づけられています。とくに明確な時期が決められていませんが、多くの地域では盂蘭盆会(仏教におけるお盆に営む仏事です)と一緒に行うことで盆施餓鬼などとも称されています。

餓鬼道に堕ちる人

4、5世紀ころに原典が生まれたとされる、正法念処経という経典は、六道の因果を詳しく説いています。その中で餓鬼道に堕ちる人は次のような行いを生前にした人とされているようです。原典を現代の視点に合う言葉に置き換えています。

○ 私利私欲で生き物(人を除く)を殺した者

 ※ 人を殺した者は、地獄道に堕ちます

○ 自分だけが美食を楽しみ、家族や周りの者には与えなかった者

○ 自分の権力を不正に使用し、無実の者を罪人に陥れた者

○ 自らの名声や金儲けのために、他人に犯罪を強要した者

○ 不良品であることを知りながら、その品の知識がない者を騙して売りつけた者

○ 量や品質を偽り、物を売った者

○ 病気や貧困などに苦しむ人を騙して、その人の持ち物を買い叩いた者

○ 貪欲や嫉妬から、他人の財産を奪い取った者

○ 他人から盗んだ物で自らを飾った者

○ 騙して、あるいは襲撃や略奪によって他者の財産を奪った者

○ 病人を騙し、偽の治療を施して利益を得た者

○ 権力者に取り入って勢力を得た者。その権力で悪行を行った者

○ 友人を騙し、見殺しにした者

○ 公共の自然や施設を壊した者

○ 他者が育てた作物や樹木、つくった物などを勝手に販売して財産を得た者

○ 布施をすることもなく、困っている人に衣食を施すこともなく、仏法を信じることもなかった者

○ 僧に対して不浄の食べ物を与えた者

○ 遊興に浸った僧侶

家庭の施餓鬼

お盆(盂蘭盆会)の時期は、餓鬼道に堕ちた人だけではなく、無縁仏などの祀り手がいない霊魂も、現世に迷い戻ってくるといわれています。寺院で盂蘭盆会に併せて施餓鬼を営むのは、この無縁霊魂を祀るという意味合いもあるようです。それに倣って家庭でも、無縁霊魂が自分のご先祖様たちの霊魂を祀るお盆の邪魔をするのを防ぐために、庭先や盆棚に施餓鬼会用のお供えを用意して無縁霊魂を祀ることを慣習にしている地域もあるようです。

施餓鬼会に行ってみよう

寺院では施餓鬼会の案内をホームページなどに掲載しています。多くは、自分の菩提寺の宗派に縛られることはなく参加は自由です。施餓鬼会に参加することで、先祖や亡くなった家族を供養し、また自分の行為を反省する中で、自分やや家族の安寧を祈念することもできます。なお、施餓鬼会に参加するにはお布施が必要です。相場は3,000円から1万円程度ですが、寺院によっては金額が決まっているところもありますので、施餓鬼会の案内を確認してみましょう。