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「おくりびと」だけじゃない。日本の泣けるお葬式映画。

2016年01月12日

世界中の映画ファンが注目するアカデミー賞のシーズンがやってきました。1月14日にノミネーションが発表され、2月28日に米・ハリウッドで授賞式が行なわれます(共に現地時間)。毎年、日本人の善戦が期待されますが、世界の壁は厚いもの。記憶に新しいところでは2009年「おくりびと」が外国語映画賞を、「つみきのいえ」が短編アニメーション賞を受賞しました。…さて、「おくりびと」と聞いてピンときた方もいるでしょう。今回は「おくりびと」を含め、海外や国内で高い評価を受けた、日本の“泣けるお葬式映画”を3本紹介します。

 

「おくりびと」(2008年公開)

監督=滝田洋二郎/脚本=小山薫堂/音楽=久石譲/出演=本木雅弘、広末涼子、余貴美子、杉本哲太、吉行和子、笹野高史、山崎努ほか

遺体を棺に納める“納棺師”という、一般的にあまり認知されていない職業にスポットを当てた人間ドラマです。本木雅弘演じる主人公は、オーケストラの解散によってチェロ奏者の道を断念し、好条件に惹かれて納棺師になった小林大悟。死者を送り出すという過酷な業務に戸惑うものの、やがて納棺師という仕事に誇りをもち、妻・美香(広末涼子)に反対されても仕事に邁進していきます。そんな大悟の“おくりびと”としての成長と、家族愛、夫婦愛を描いた感動作。日本初のアカデミー賞外国語映画賞受賞作ということもあって大ヒットしました。未見の方は是非チェックしてみてください。

 

「お葬式」(1984年公開)

監督・脚本=伊丹十三/出演=山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、財津一郎、江戸家猫八、奥村公延、津川雅彦、小林薫、高瀬春奈、笠智衆ほか

俳優・伊丹十三の監督デビュー作。日本のお葬式映画の草分け的存在として大変話題になり、日本アカデミー賞最優秀作品賞など映画賞を総なめにしました。どんな物語かというと―、俳優夫婦の夫・井上侘助(山崎努)が妻・雨宮千鶴子(宮本信子)の父の死により、初めて喪主を務めることに。葬儀の勝手がわからず途方にくれる主人公と、お葬式に集まる人々の姿が面白おかしく描かれています。お布施の相場を葬儀屋に聞く、長い読経で足がしびれるなど、“お葬式あるある”が満載。クスクス笑えながらも、ホロリと泣けるコメディーです。

 

「裸の島」(1960年公開)

監督・脚本・製作・美術=新藤兼人/音楽=林光/出演=乙羽信子、殿山泰司、田中信二、堀本正樹ほか

新藤兼人監督が登場人物のセリフを一切排して映像と音楽のみで語る画期的な映画。瀬戸内海にある宿祢島でオールロケを敢行し、電気やガスはもちろん水さえもない小さな孤島を舞台に、作物を植えて暮らす夫婦と2人の息子の日常が淡々と描かれていきます。島には井戸や川がないため、夫婦の主な労働は、隣の大きな島に小舟で渡り、水を汲んで運ぶこと。長男は大きな島の小学校に通いますが、ある夏の日、急な病で死んでしまいます…。そんな一家四人の姿を通して、生きるということや葬儀のあり方・大切さについて考えさせられる本作。モスクワ映画祭でのグランプリ受賞を始め、世界の数々の映画祭で高い評価を受けました。

 

さて、“泣けるお葬式映画”を3本紹介しましたが、気になる作品はあったでしょうか? 今後、洋画編や、お葬式の音楽にまつわる記事も公開していく予定です。どうぞご期待ください。