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位牌について

記事公開日:2017.06.20/最終更新日:2023.04.05

故人の戒名が記された位牌は、中国の後漢時代に発祥したとされ、日本には鎌倉時代に禅宗とともに渡来したといわれています。そして位牌はその用途によっていくつかの種類があることをご存知でしょうか。簡単にご説明してみたいと思います。

位牌の数え方

はじめに位牌トリビアとして、数え方をお教えしましょう。確か、テレビ朝日の「Qさま」でも物の数え方を問うクイズとして取り上げられていたように記憶しています。位牌は「柱(はしら)」と数えます。一柱(ひとはしら)、二柱(ふたはしら)のように。これは、ご神体や神像の数え方として「柱」を用いていたことから、位牌もそのように数えることになったとされています。

位牌の種類

位牌には、内位牌、野位牌、本位牌の3種類の位牌があります。

内位牌

亡くなった後すぐにつくられる白木の簡素な位牌です。お通夜やお葬式のときの祭壇に置かれます。表には故人の戒名を、裏には姓名と亡くなった年月日と享年を記します。火葬場では火葬する場所の前に置かれ、火葬後には家に持ち帰り四十九日の法要まで祭壇に祀ります。

野位牌

これも内位牌と同じく白木の位牌で、墓石に故人の戒名が刻まれるまでの間、お墓に祀ります。

本位牌

四十九日の法要までにつくり、内位牌と替える位牌です。四十九日の法要に間に合えば法要は本位牌を祀って行いますが、間に合わない場合は内位牌で法要を行っても問題はありません。本位牌の素材には黒檀や紫檀のものが登場します。また漆塗り・金箔・蒔絵などの装飾が施されたものが主流です。

繰り出し位牌

最近はあまり目にすることがなくなっていますが、旧家などでは長い年月の中で祀るべき位牌の数が大量になる場合があります。そんなときは、薄い木の札(白木でなくても良いようです)1枚1枚に、戒名と姓名、命日などを記して中が空洞で箱状の厚みのある位牌の中に収めます。この箱状の位牌のことを「繰り出し位牌」といいます。通常は仏壇の中に箱に入ったままの状態で祀られている木の札は、お盆などのときには箱の外に出して、祭壇に1枚ずつ飾ってお迎えするのが慣習となっています。