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形見分けと贈与税

記事公開日:2017.07.19/最終更新日:2023.04.05

読了予測:約3分

故人を偲んで、思い出の品を親しい人で分ける形見分け。まさか税金がかかるとは考えてもいないでしょう。でも、形見分けも贈与の1つですから、一定以上の場合には贈与税がかかることになります。

贈与税の控除額と税額

贈与税の納税義務者は、贈与を受けた人です。つまり形見分けを受けた個人になります。基礎控除額は110万円で、この額までの形見分け(贈与)であれば贈与税はかかりません。贈与税には、一般贈与財産と特例贈与財産があります。特例贈与財産とは、20歳以上の子や孫が直系尊属から受けた贈与で、税率がいくらか低くなっています。形見分けの贈与税を考えるときは、両方の可能性があります。税率は次のとおり基礎控除後の資産額によって累進課税となっています。

  一般贈与財産   特例贈与財産  
基礎控除後の形見分けの品の評価額 税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 10%
300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 15% 10万円
600万円以下 30% 65万円 20% 30万円
1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円
1,500万円以下 45% 175万円 40% 190万円
3,000万円以下 50% 250万円 45% 265万円
4,500万円以下 55% 400万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 400万円 55% 640万円

贈与税の計算式は、

(形見分けを受けた品の評価額-基礎控除(110万円))×税率-控除額

となります。

高額の可能性がある品

故人と親しい人にとっては、故人の思い出が最も価値があるもので、その形見分けを受ける品自体の(商業的な)価値は気にしないのでしょうが、国税は気にします。特に次のような品は注意が必要です。

  • 書画骨董など美術品
  • 宝飾品の類
  • 着物
  • 趣味のコレクション(特定のマーケットでは価値があるものがあります)
  • 花卉(欄や盆栽には高額な物もあります) など

これらの品には、形見分けをしたときに、その価値がわかっていない品も多いでしょう。例えば形見分けをした後で、その品を何らかの形で第三者に譲る(売る)ことになったとき、あるいはお宝発掘のテレビ番組のような場でその品の評価を受けたとき、その品の評価額が控除額の110万円を超える評価を受けてしまったとしたら、厳密にいうと遡って贈与税の申告をする必要が出てきます。「知らなかった」で済むのは知らない間だけです。

基礎控除後400万円くらいの品は有り得そうですね。書画骨董や宝飾品の中には、1,000万円を超えるお宝があってもおかしくありません。さらに、合計額ですから複数の形見分けを受けると納税対象となる可能性がより高くなります。

石橋を叩く形見分け

故人の思い出の品が、何らかのトラブルの種になるのは避けたいですね。そこで形見分けもそれなりに気を配るべきでしょう。まず価値がわからないもの(特に趣味の類は興味のない人は全くの門外漢なので謙虚に知ろうとする姿勢が大事です)は、きちんと評価してもらいましょう。その上で贈与税の基礎控除である110万円を超える評価額となる品(1人に分ける合計額です)は、形見分けではなく相続の対象として、財産分与の中で処理をするのが望ましいです。高額な品をどうしても形見分けにほしい、という人が現れたら、贈与税の対象であることをきちんと伝えれば、トラブルを防ぐことができますね。