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戒名の話

記事公開日:2017.09.19/最終更新日:2023.04.12

読了予測:約3分

故人に与えられる(死んだ後に付けられる)名前と思われがちですが、元来の戒名とは、出家者に与えられる仏教徒としての名前でした。それが転じて、死後に仏様の弟子になるということにして戒名を与えてあの世に送り出す、という慣習となっています。仏教のみで、他の宗教には戒名はありません。

また、宗派によって戒名は異なっています。仏様の弟子になったことを表すという意味では同じですが、浄土真宗では戒名ではなく法名、日蓮宗では法号といい、厳密な意味も構成なども違うのでここで詳しく理解してもらうのは難しいため、浄土宗、臨済宗、曹洞宗、真言宗、天台宗に限定して説明します。

戒名の構成

戒名と一括りで言いますが、正しくは「院号(院殿号)」「道号」「戒名」「位号」で構成されています。

一般的な戒名の構成は「◯◯院◇◇△△☆☆」です。

【院号】

「◯◯院」が院号です。「院」の大元は譲位、廃位となった天皇の敬称でした。嵯峨上皇が嵯峨院と称された(823年)のが始まりとされています。それが、公家に武家にと広まり明治以降は政治家や財閥、寺院に大きな貢献をした人に院号が与えられるようになります。大きな貢献とは多額の寄付だったりするので『院号はお金で買う』と揶揄されるようになります。

【道号】

「◇◇」が道号です。これも元来は寺院や仏教への貢献に対して与えられるものでしたが、今は完全に形骸化して道号に続く戒名と一体化されているといっても良いでしょう。基本2文字ですがそれ以上の道号も見受けられます。

【戒名】

「△△」が本来の戒名で2文字です。俗名(存命中の名前)から1文字とって命名されることが多いです。

【位号】

「☆☆」が位号、寺院や社会への貢献度によって「信士(真女)、居士(大姉)、大居士(清大姉)、院居士(院大姉)」と位号は変わります。これも貢献度なので、お金で買えるといわれてもいます。性別(上の場合は括弧内が女性です)と亡くなったときの年齢による違いがあります

戒名の値段

寺院、僧侶の行為はサービスではなく、お布施も行為に対する対価ではないのですが、現実には残念なことに戒名を付けてくれたことに対する対価という位置付けが一般的になってしまっています。それ故、値段というものがあるはずのない戒名にも相場があります。

位号 戒名に対するお布施の相場(寺院の場合)
信士・真女 15万円~30万円
居士・大姉 30万円~50万円
大居士・清大姉、院居士・院大姉 100万円~

仏教界の建前としては現在でも戒名に値段は存在していません。しかし、一部の寺院や代行するサービス事業者が、明朗な料金であることを訴えるため、価格表のように明示するようになってきています。ちなみにサービス代行事業者のほうが、大幅(お布施相場の30%から20%)に価格は安いようです。

代行事業者を通して戒名を取得した場合には1つ気をつけることがあります。お墓が寺院墓地だった場合に、その寺院から与えられた戒名ではないため、埋葬を拒否される可能性があるということです。

著名人の戒名

著名人の戒名をいくつかあげてみます。

いかりや長介 瑞雲院法道日長居士

石原裕次郎 陽光院天真寛裕大居士

青島幸男 廉正院端風聚幸大居士

黒澤明 映明院殿紘國慈愛大居士

坂本九 天真院九心玄聲居士

貴ノ花(花田)満 双綱院貴関道満居士

田中角栄 政覚院殿越山徳栄大居士

手塚治虫 伯藝院殿覚圓蟲聖大居士

夏目雅子 芳蓮院妙優日雅大姉

美空ひばり 茲唱院美空日和清大姉

それぞれ、生前が思い起こされる素敵な戒名ですね。