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お葬式の小規模化が進む(公取委調査から考察)

2018年07月18日

2017年3月に公正取引委員会が、「葬儀の取引に関する実態調査報告書」を公開しています。調査の趣旨は、葬儀市場に新規参入事業者が増え消費者へのサービス競争が激化する中で、納入事業者に不利益を与えていないか実情を調査するものですが、調査結果からお葬式の規模の現状と展望を読み取ることができます。

市場規模は増加傾向

市場全体で見ると、2015年は約1兆7,800億円で、2013年の約1兆7,600円から漸増傾向にあります。死亡者数は、2014年に約127万人と10年前から25%増加しており、2039年に約167万人のピークを迎える多死社会が予測されています。亡くなる人が増えているわけですから、それだけ葬儀の数も増えることになります。ちなみにこの調査では、市場規模と死亡者の統計で必ずしも同一年データが掲載されていないので、近い年のデータで比較すると次のようになります。

 

2009年

2014年

2015年

増加率

市場規模

1兆6,700億円

 

1兆7,800億円

6.6%

死亡者

114万人

127万人

 

11.4%

比較する直近年が異なるため正確ではないとはいえ、これだけ増加率に違いがあることから、死亡者が増えた分だけ市場規模が大きくなってはいないことは言えそうです。

年間売上が減少する葬儀社が増える傾向

年間に取り扱う葬儀件数の調査では、「増加」「減少」「変わらない」がほぼ33%の割合で並びました。その一方で年間売上は「増加」が27%、「変わらない」が23%、「減少」が50%という結果が出ています。この統計からは、売り上げが減少している葬儀社の数が増えていることが分かります。このことは売上好調な葬儀社と不調な葬儀社の2極化を表していますが、受注件数が増加ないし変わらない事業者でも売り上げが減少しているのですから、売り上げが減少している葬儀社は1件あたりの売り上げが減少していることになります。

葬儀種別の件数

種別の増減傾向は次の表のとおりで、一般葬が減り、家族葬、直葬件数が増えていることが分かります。

  • 増加傾向にあると回答があった葬儀の種類
 

回答割合

家族葬

51.1%

直葬

26.2%

一日葬

17.1%

一般葬

5.4%

社葬

0.3%

  • 減少傾向にあると回答があった葬儀の種類
 

回答割合

一般葬

68.8%

社葬

24.3%

直葬

3.1%

家族葬

2.5%

一日葬

1.5%

 

1件あたり売り上げ、参列者も減少

葬儀1件当たりの売上傾向調査では、なんと79%の事業者が「減少している」と回答しています。そして参列者数傾向調査でも「減少している」が86.8%という結果でした。年間売上が増加している事業者でも1件当たりの売り上げが減っているのです。死亡者の数は増え続けていますが、葬儀はどんどん小規模化している実態が明らかになっています。

減る一般葬に抱く危惧

筆者は一般葬が減っていくことに危機感を覚えています。葬儀は、効率や経済的合理性で片付けて良いものではありません。葬儀には意味や意義、故人を見送りたい全ての人の想いが反映されるべきです。「遺族・親族以外の弔問は自己満足だ」という説に筆者は与しません。それを言うなら、「故人と縁あった人の想いなんて関係ない、故人は望んでいない」とする人の考えも自己満足だと思います。現在の傾向は、新規参入事業者も含め、葬儀社間の競争が激化したことで、いわゆる小さなお葬式の提案合戦により招かれた事態だと考えています。葬儀社だけでなく、消費者もそして宗教者も含めて一般葬を改めて見直す必要があるのではないでしょうか。

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