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遺骨を分骨してお墓に納めるには

2018年10月30日

分骨(ぶんこつ)という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。意味は文字通り「死者の骨を2カ所以上に分けて納めること。また、分けて納められた骨。(三省堂発行『大辞林』第三版)」のことです。近年は、先祖代々のお墓が遠方にあるため、身近なところで供養したい、などの理由から増えているといわれています。今回は、ちょっと法律的視点で分骨を整理してみたいと思います。

分骨の是非

まず分骨という行為そのものについてですが、法律(「墓地、埋葬等に関する法律」、「民法」等)で禁じられてはいません。また、骨を分けるという行為が宗教の教えに反するとか、あるいは故人に対して申し訳ない行為だ、ということも決してありません。遺骨を分けるという行為自体は、故人と縁ある人それぞれが供養する1つのスタイルとして古くから行われていました。

埋葬後に遺骨を分ける

既に埋葬された遺骨を分ける場合です。これは「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」に次の条文があります。

『 墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があつたときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければならない。

焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者は、墓地等の管理者に、前項に規定する書類を提出しなければならない。』

つまり、既に埋葬された遺骨の分骨を希望する人はお墓の管理者に申請して、そのお墓に遺骨が納まっていたという証明書の交付を受け、その証明書を移転先のお墓の管理者に提出する、ということです。この証明書が「分骨証明書」といわれる書類で、埋葬、火葬等の許可をする自治体の単位である市町村によって様式や細かな手続きが異なる場合があります。

【ポイント】

  1. お墓の管理者に、遺骨が納まっていたことを証明する書類(分骨証明書)を発行してもらう
  2. 証明書を移転先のお墓の管理者に提出し納骨する

※法的な手続きは以上ですが、分骨する遺骨を取り出すときには、僧侶など宗教者に読経・祈祷してもらうのが一般的です。地域の慣習や宗教・宗派により、そのやり方は異なるでしょうから、よく確かめてください。

埋葬前に遺骨を分ける

火葬後に分骨する場合です。「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」には火葬場の管理者に対して、埋葬後の分骨の規定を準用するという条文があります。つまり、火葬後の分骨を希望する場合は、火葬場の管理者に申請して、火葬したという証明書の交付を受け、埋葬するお墓の管理者に提出する、ということです。火葬証明書は、埋火葬許可証を紛失した際に発行してもらう書類なので、埋葬許可証の代わりとなるわけです。事前に葬儀会社にお願いをしておけば火葬場への証明書発行依頼や、火葬後のお骨上げに複数の骨壷を用意するなど手配してくれるでしょう。

【ポイント】

  1. 火葬場の管理者から火葬証明書を発行してもらう
  2. 遺骨を納めるお墓の管理者に証明書を提出し納骨する

祭祀継承者の承諾

民法に次の条文があります。

『 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、(略)慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。』

祭祀を継承する者は、財産相続の筆頭相続人とは別に指定することができますが、多くの場合は同一と考えて良いでしょう。「墳墓」が含まれているので、お墓の維持・管理をしている相続人の了解なしに勝手に分骨することは法律では認めていないことになります。そもそも家族・親族間で合意されていない分骨は法律に反する以前に、道義的にも問題があります。しっかりと話し合いをして皆が合意した後に行うべきですね。

 

「墓地、埋葬等に関する法律(同施行規則)」は埋葬に関する規制を定めた法律です。つまり埋葬を伴わない手元供養の場合には、これまであげた手続き等は法的には必要ありません。ただし、手元供養していた遺骨を後にお墓に埋葬するといった場合には、埋葬に関する規制が適用されるので注意が必要です。

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