家族の大切な一員であるペットの寿命は、どのぐらいなのかは気になる人も多いでしょう。
ペットの寿命は、種類によってある程度決まっていますが、「遺伝」や「飼育環境」、「健康管理」によっても違ってきます。
ペットの寿命を延ばすためには、健康管理が非常に重要です。
年齢の応じたケアを行い、ストレス管理や病気・ケガへの早期の対応をしてあげると健康で長生きできます。
ペットが高齢になってからは、一緒の時間をゆっくりと過ごせるように穏やかな環境を用意してあげるとよいです。
寿命を迎えた後は早めに必要な手続きを行い、愛情をもって弔ってあげましょう。
ペットの葬儀には「合同火葬」「一任個別火葬」「立ち合い個別火葬」があります。
葬儀後は、自宅での埋葬の他、霊園・墓地の共同墓や納骨堂などのプランがあります。
近年では樹木葬を選ぶ人も増えています。
長年大切にしていたペットを失うことは、家族に大きな悲しみをもたらします。
家族や友人と感情を共有し、心のケアをすることも大切なことです。
目次
ペットの寿命とは?
ペットは大切な家族の一員ですが、彼らの寿命は私たちよりも短いことが多いです。
彼らの寿命を知り、適切なケアをすることは、ペットとの時間をより豊かにするために重要です。
一般的なペットの寿命
一般的なペットの寿命は下記のとおりです。
- 犬:平均10〜13年
- 猫:平均12〜15年
- ウサギ:平均8〜12年
- ハムスター:平均2〜3年
- 鳥:種類によって異なるが、10〜50年
ペットの寿命は動物の種類や個体によって異なります。
また、健康管理や適切な飼育環境が寿命に大きく影響します。
寿命に影響する要因
ペットの寿命はさまざまな要因によって影響を受けます。
そもそも動物は、種類によって寿命がある程度決まっています。
例えば、犬では大型犬種よりも小型犬種のほうが長生きです。
グレートデーンやセントバーナードなどの大型犬の寿命が6~8年であるのに対して、チワワやプードルなどの小型犬の寿命は15~20年です。
大型犬は体重が重く関節や心臓に負担がかかりやすいため、寿命が短いのです。
また、遺伝もペットの寿命に大きく影響します。
ゴールデンレトリーバーは、遺伝的にがんにかかりやすい犬種で、親犬からの遺伝でがんにかかりやすい要素を引き継いでいます。
その他、飼育環境や健康管理の状況も寿命に影響する要素と考えられます。
ペットの寿命を延ばすための対策
ペットの寿命を延ばすためには、日々の健康管理が非常に重要です。
ペットの寿命を延ばすために「注意すべきポイント」を解説します。
健康管理の重要性
人間と同様に、ペットも元気でいるためには健康管理が重要です。
飼い主がペットに対して、定期的な健康診断、バランスの取れた食事、適度な運動、予防接種などを提供することで、長く健康を維持できます。
こうした健康管理を続けることで、ペットはより長く健康で幸せな生活を送ることができます。
ペットの年齢に応じたケア方法
ペットのケアは年齢によって異なります。
若年期には、十分な栄養を与え、適切な運動をさせます。
特に、産まれて数か月の頃は病気にかかりやすいため、細かなチェックをする必要があります。
中年期には、健康診断を定期的に受け、適度な運動とバランスの取れた食事を続けることが大切です。
また、肥満防止や関節の健康に気を配る必要があります。
老年期は、特に健康管理に注意しなければなりません。
関節や歯の病気などの老化に伴う健康問題が起きやすいため、定期的な獣医の診察を受けるようにしましょう。
負担の少ない運動と消化しやすい食事を提供します。
ペットの寿命を伸ばすためには、年齢に合ったケアをすることが大切です。
ストレス管理
ペットが健康で長生きするためには、ストレス管理についても考えておく必要があります。
ストレスはペットの身体的および精神的な健康に悪影響を及ぼすことがあります。
具体的なストレス管理として、清潔で安全な居住空間、定期的な運動と遊び、人間や他の動物との交流が必要です。
できるだけストレスの要因を排除し、快適に過ごせるように配慮するとよいでしょう。
病気やケガへの対応
日頃からペットの健康に注意していたとしても、病気やケガに見舞われることもあります。
その際には、早期発見と早期治療の重要性を理解しておく必要があります。
早期発見は治療の成功率を高め、回復を早めます。
また、信頼できるかかりつけの獣医を持つことが大切です。
かかりつけの獣医は、ペットの健康状態を継続的に把握し、適切な治療を提供してくれます。
緊急時にもスムーズに対応してもらえます。
寿命が近いペットの最期の時を迎える準備
どんなに丁寧に世話をしていても、ペットの寿命の時はやってきます。
寿命が近いペットがいる場合に、最期を迎える準備としてどのように対応すればいいのか考えてみましょう。
ペットの老化と介護
ペットが老化するにつれ、さまざまなサインが現れます。
老化のサインには、「活動量の減少、食欲不振、視覚や聴覚の衰え、関節の硬直、排泄のトラブル」などがあります。
これらの変化を早期に認識し、適切な介護を行うことが重要です。
介護の方法としては、まず快適な居住環境の整備が必要です。
ペットが滑りにくい床材にして動きやすくなるよう配慮します。
食事は消化しやすく、栄養バランスの取れたものを提供し、水分補給にも注意を払います。
また、適度な運動とマッサージをしてあげるとよいでしょう。
定期的な獣医の診察を受け、健康状態を把握しながら必要な医療ケアを行うことも大切です。
精神的なサポートも忘れてはなりません。
愛情を持って接し、安心感を与えることで、ペットの心のケアも行います。
最期の時間を大切にするために
ペットの最期の時間を大切にするためには、まずペットとの時間を穏やかで愛情あふれるものにすることが重要です。
ペットが好きなことを一緒に楽しんだり、静かに寄り添ったりして過ごしましょう。
また、ペットにとって安心できる環境を整え、できるだけストレスを減らすことが大切です。
最期の瞬間に向けて飼い主の心の準備をすることも必要です。
ペットの健康状態をしっかりと見守り、獣医師と相談しながら最善のケアを提供しましょう。
ペットとの別れに備え、家族とともに心の準備をし、感謝の気持ちを伝える時間を持つことで最期の瞬間を穏やかに迎えられます。
寿命を迎えてペットが亡くなった後の対応
大切な家族であるペットが亡くなった時には、大きなショックがあるでしょう。
悲しみの中でも対応すべきことがあるので、確認しておきます。
必要な手続き
ペットが亡くなった際には「死亡届」の提出が必要な場合があります。
死亡届が必要なペットは犬や特定動物(ライオン、トラ、ワニ)です。
猫や鳥、うさぎは必要ありません。
犬の死亡届について
愛犬が亡くなった場合、狂犬病予防法第4項に基づき、死亡後30日以内に市役所に届け出を行う必要があります。
これは、「飼い犬登録の抹消」と「狂犬病予防」のためです。
死亡届を提出しないと、ワクチン接種の案内が毎年送られ、無視し続けると罰金が科される可能性があります。
必要な書類は、下記のとおりです。
- 死亡届
- 犬鑑札
- 狂犬病予防注射済票
死亡届には、飼い主の住所、氏名、犬の亡くなった年月日、登録番号を記載します。
自治体のホームページからダウンロードやオンライン申請も可能です。
犬の死亡届については「飼い犬(ペット)の死亡届」に詳しくまとめています。
飼い犬(ペット)の死亡届
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死亡診断書の用意
ペット保険に加入している場合、解約手続きが必要です。
保険解約時にはペットの死亡日が確認できる死亡診断書が求められることがあります。
動物病院で書いてもらい、保険会社に提出します。
マイクロチップ登録の解除
令和4年6月以降、ペットショップで販売される犬や猫にはマイクロチップの装着が義務付けられています。
マイクロチップが装着されている場合、環境省に死亡届を30日以内に提出します。
必要な情報は「マイクロチップ識別番号」と「暗証記号」です。
ペットの葬儀の種類
ペットの葬儀にはいくつかの種類があります。
まず、自宅での埋葬が挙げられますが、自治体の規定によっては禁止されている場合があります。
ペット専用の霊園に埋葬することで、手厚い供養を受けられます。
犬や猫の場合は、火葬が一般的で、「個別火葬」と「合同火葬」の二種類があります。
個別火葬は一体ずつ火葬を行い、遺骨を返却してもらえます。
合同火葬は複数のペットを一緒に火葬し、遺骨は返却されず共同で埋葬されます。
個別火葬では、すべてをスタッフに任せる一任形式と、飼い主が立ち会う形式があります。
また、費用はかかりますが、訪問火葬というサービスもあり、専門業者が自宅まで来て火葬を行うことも可能です。
ペットの火葬については、「ペットの火葬 ~ペットの供養について考える~」に詳しくまとめています。
ペットの火葬 ~ペットの供養について考える~
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ペットの葬儀の費用相場
ペットの火葬にかかる費用は合同火葬か個別火葬かによって異なります。
個別火葬の場合も、業者に預けるか飼い主が立ち会うかによって違ってきます。
合同火葬
「費用相場:5,000円~1万円」
合同火葬は複数のペットを一緒に火葬する形式で、費用が最も低く抑えられます。
遺骨は持ち帰れず、共同墓地に埋葬されます。
一任個別火葬
「費用相場:1万円~2万円」
一任個別火葬は、ペットを個別に火葬し、飼い主が立ち会わず担当の業者に一任する形式です。
火葬後の遺骨は希望に応じて飼い主に戻されます。
費用は合同火葬より高くなります。
立会い個別火葬
「費用相場:2万円~4万円」
立会い個別火葬は、飼い主が火葬に立ち会い、遺骨を自分で拾う形式です。
この形式は最も高額ですが、手厚い弔いができます。
お寺や民間の火葬場で行われることが多いです。
ペットの葬儀が終わってからサポート
ペットの葬儀が終わった後は、遺骨の埋葬方法について考える必要があります。
ペットの思い出を残すためのメモリアルサービスや、ペットロスへの対処法についても知っておくとよいでしょう。
遺骨の扱い方
ペットの葬儀が終わった後、遺骨の扱い方にはいくつかの選択肢があります。
自宅で安置する場合は、ペット用の骨壺に遺骨を納め、家の中の静かな場所に安置しておくとよいでしょう。
ペット用の霊園に納骨する方も多くいます。
ペット霊園では「合同納骨」や「個別納骨」の選択肢があり、飼い主の希望に合わせた対応が可能です。
費用は、合同供養墓の場合は「5,000円~3万円程度」、納骨堂は1年あたりの使用料金で「1万円~5万円」です。
個別墓を建てた場合は、埋葬料+永年供養料(墓石代含む)+年間管理費が必要で、「20万円以上」になります。
近年では「樹木葬」を選ぶケースも増えています。
ペット専用の樹木葬の目安は、「1万円~3万円」です。
ペットと人の共葬の樹木葬だと費用は「30万円~80万円」で考えておくとよいでしょう。
メモリアルサービス
ペットの亡くなった後のメモリアルサービスをとして、ペットの写真や足形を使った記念品、メモリアルフォトアルバム、ペットの名前を刻んだメモリアルプレートなどの作成があります。
これらのサービスを利用することで、ペットとの思い出を形に残し、いつでもその存在を感じることができます。
心のケア
家族の一員であったペットを失った後、しばらくは悲しみが続くでしょう。
ペットロスは自然な感情です。
まずは自分の感情を認めることが第一歩となります。
家族や友人と感情を共有することも助けになります。
話を聞いてもらうことで、心が軽くなることがあります。
無理をせずにゆっくりと心の回復を図りましょう。
まとめ 【ペットの寿命とその後の対応】大切な家族だから知っておくべきこと
ここまでペットの寿命とその後の対応について紹介してきました。
近年では適切な健康管理が行われるようになり、ペットの寿命は長くなってきています。
ペットは家族の一員として大切に考える人が増えたことで、人間と同じようにケアをする人が増えているためです。
しかし、ペットの寿命は人間よりも短いことが多いため、飼い主が最期を看取ることも考えておく必要があります。
飼い主の責任として、最後までしっかりとお世話をしてあげてください。
愛情をもって送り出してあげれば、ペットも喜ぶでしょう。