終活で必要なこととは？5つの基本分野と始め方を解説

人生の終わりに向けた準備である「終活」は、残された家族への負担を減らし、自分らしい最期を迎えるための大切な取り組みです。

 

財産や保険の整理、医療や介護の意思表示、葬儀やお墓の計画、デジタル資産の整理など、やるべきことは多岐にわたります。

 

近年は早めに準備を始めることで心のゆとりを持つ人が増えており、厚生労働省や消費者庁も高齢期の計画的な備えを推奨しているのが現状です。

 

本記事では、終活で特に押さえておきたい5つの基本分野と、実際の始め方をわかりやすく解説します。

 

 

終活とは？家族と自分を守るために必要なこと

 

終活とは、人生の最終段階を見据えて自分の意思を整理し、家族への負担を減らすための準備を進めることです。

 

財産や不動産の管理、医療や介護の方針、葬儀やお墓の希望、さらにはSNSやネット口座などのデジタル資産まで、取り組むべき分野は多岐にわたります。

 

厚生労働省が示す「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」でも、自分の希望を文書で残し家族と共有する重要性が強調されています。

 

生前に意思を示しておくことで、延命治療の判断や相続手続きにおける家族間の負担や争いを減らすことが可能です。

 

まずは自身の価値観や希望を整理し、家族と話し合うことから始めるのが効果的でしょう。

 

その際には、下記のような専門家である「終活アドバイザー」に相談をすることで、より安心して準備を進められます。

 

参考：【終活アドバイザーとは？】仕事内容や資格取得について解説

 

終活で必要な5つの準備

 

終活を円滑に進めるには、主に下記5つの分野を体系的に整えることが大切です。

 

• 【財産整理】資産・負債・相続の整理
• 【医療・介護】延命治療や介護方針の意思表示
• 【葬儀・お墓】葬儀形式や墓の種類を決める
• 【人間関係・デジタル】連絡先・SNS・パスワードの整理
• 【生前整理】モノと心の断捨離

 

ここでは、それぞれの分野で押さえておきたい具体的なポイントを詳しく紹介します。

 

【財産整理】資産・負債・相続の整理

 

財産整理は終活の基盤であり、早めに着手するほど家族の負担を減らせます。

 

預貯金や有価証券、不動産、保険契約などの資産を一覧化し、住宅ローンや借入金など負債も明確にしておくことが重要です。

 

これにより相続時に必要な手続きや納税額が把握しやすくなり、トラブルの回避につながります。

 

加えて遺言書を作成しておくと、相続人間での意見対立を防ぎやすくなるでしょう。

 

近年は法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用することで、公正証書を作らなくても安全に保管でき、家庭裁判所の検認も不要になるケースがあります。

 

資産や負債の内容は、エンディングノートを活用して一覧化しておくと家族が確認しやすく、相続手続きがよりスムーズになります。

 

参考：【エンディングノートとは？】エンディングノートにはいつ何を書けばいいのか | 終活スタイル

 

【医療・介護】延命治療や介護方針の意思表示

 

病気や介護が必要になったときにどのような医療を受けたいか、どこで過ごしたいかを事前に示しておくことは、本人の尊厳を守るうえで大切です。

 

厚生労働省が推奨する「人生会議（ACP）」では、延命治療の可否や終末期医療の方針、介護施設への入居希望、代理決定者の指定などを家族や医療従事者と共有することを推奨しています。

 

これにより、急な入院や治療の判断が必要になった際も家族が迷わず対応でき、本人が望む医療や介護を受けることが可能になります。

 

これらの意思はエンディングノートや公正証書、事前指示書にまとめておくと確実です。

 

参考：【エンディングノートとは？】エンディングノートにはいつ何を書けばいいのか | 終活スタイル

 

【葬儀・お墓】葬儀形式や墓の種類を決める

 

葬儀とお墓は費用や形式に幅があり、早めに検討するほど家族への経済的・精神的負担を減らせます。

 

葬儀には一般葬、家族葬、直葬などがあり、それぞれ費用や参列者数、進行方法が異なります。

 

費用の目安は下記の記事でご確認ください。

 

参考：葬儀費用の相場はいくら？一般葬・家族葬・直葬の違い | 終活スタイル

 

また、お墓も従来の墓地だけでなく、永代供養や自然葬、樹木葬など選択肢が増えています。

 

自分の希望に沿った方法を選ぶには、葬儀社や墓地の見学、見積もりの取得が効果的です。

 

事前に計画を立てておくことで、家族は突然の出費や決断の負担から解放されます。

 

【人間関係・デジタル】連絡先・SNS・パスワードの整理

 

近年重要性が高まっているのが、人間関係とデジタル資産の整理です。

 

葬儀や相続の連絡が必要な親族・友人・知人の連絡先をまとめておくと、家族がスムーズに連絡できます。

 

さらに、SNS、メール、ネット銀行、サブスクリプションサービスなどのアカウントやパスワードを整理し、必要に応じて削除や解約の方法を明記しておくことも大切です。

 

無管理のままだと不正利用や情報流出、解約費用の増大につながる恐れがあります。

 

安全面を考え、信頼できる家族にアクセス方法を伝え、エンディングノートやパスワード管理サービスを活用すると安心です。

 

【生前整理】モノと心の断捨離

 

生前整理は家財や持ち物を整理するだけでなく、心の整理を進める機会でもあります。

 

思い出の品や写真を分類して残す物と処分する物を決めておけば、家族が遺品整理にかける時間や費用を減らせます。

 

不要な家具や家電をリサイクル業者や自治体のサービスで処分することで、引っ越しや施設入居の際も負担が軽くなるでしょう。

 

また、人間関係の見直しや感謝の気持ちを伝えることも、生前整理の一環として有意義です。

 

生前整理専門のサービスを利用する場合は、契約内容や費用、解約条件を事前に確認し、家族と共有しておくことがトラブル防止につながります。

 

終活を始める時期と費用の目安

 

終活は体力や判断力があるうちに始めるほど計画が立てやすく、家族と話し合う余裕も持てます。

 

一般的には仕事や子育てが落ち着く50代〜60代前半が目安とされますが、厚生労働省が推奨する「人生会議（ACP）」でも、健康なうちに自分の意思を整理することが勧められています。

 

もちろん年齢に縛られず、思い立った時が最良のタイミングです。

 

費用は準備内容により幅があり、葬儀は一般葬で約120〜150万円、家族葬で60〜100万円程度、墓は永代供養で20〜80万円、樹木葬や納骨堂なら10〜50万円程度が目安です。

 

さらに遺言書作成費用（数万円〜十数万円）、生前整理や遺品整理を業者に依頼する場合は数十万円規模となる場合もあります。

 

資金の備え方としては、預貯金のほか生命保険や葬儀保険、毎月数千円から積み立て可能な互助会の利用などがおすすめです。

 

早めの着手と定期的な見直しが、安心できる老後と家族への負担軽減につながります。

 

参考：【互助会を選ぶならどこがいい？】選び方のポイントを解説 | 終活スタイル

 

まとめ

終活は「いつかやればいいこと」ではなく、自分らしい最期を迎え家族の負担を減らすための前向きな人生設計です。

 

財産や医療・介護、葬儀やお墓、デジタル資産や生前整理まで、早めに準備することで心のゆとりが生まれ、希望に沿った形を選びやすくなります。

 

特に葬儀やお墓にかかる費用はまとまった金額になるため、無理のない資金計画が欠かせません。

 

費用の備えとしては預貯金や生命保険のほか、毎月数千円から積み立てられる互助会の活用が有効です。

 

互助会は葬祭目的での加入が約9割を占め、会員優待によって葬儀費用を抑えられるだけでなく、急な出費への備えにもつながります。

 

まずは全国の互助会から自分に合ったプランを選び、資料請求で比較検討してみましょう。

 

地域や希望に合う互助会を一度に探したい方には、ごじょスケがおすすめです。

 

こちらの資料請求フォームから、居住地域を選ぶだけで条件に合った互助会の詳細をまとめて取り寄せることができます。

 

ごじょスケなら全国の互助会の仕組みやメリットも確認でき、最適なプランを比較しながら安心して終活を進める第一歩を踏み出せるでしょう。