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『終活』 をアドバイスする 終活アドバイザー などの資格考察

2020年06月22日

終活アドバイザー協会

ルーツの「ら・し・さ」は「終活」という言葉が生まれる前

終活という言葉は社会全般に定着したものの、ではいざ終活を始めようとするときに、何から手を付ければいいのか、そもそも終活とは何をすればいいのか、と悩む人はまだ多数存在しているようです。日本社会で、終活という言葉が生まれたのは2009年の週間朝日の連載からと言われていますが、それよりも前の2003年に設立され、超高齢化社会を迎える日本において人生後半の生き方に関する情報発信を行っていた団体があります。それが「特定非営利活動法人ら・し・さ」です。設立後は、終末のサポートを事業目的とし、エンディングノートの先駆ともいえる「ラスト・プランニングノート(現ら・し・さノート®)」の発行、書き方セミナーの開催、「おひとりさまカレッジ」「終活講座」などセミナーの開催・運営、高齢者施設見学などのイベント実施、など終活の普及やサポートを行ってきていましいた。その「ら・し・さ」が1つの事業部として立ち上げたのが「終活アドバイザー協会」です。終活アドバイザー協会は、「ら・し・さ」の活動をさらに広く展開するために、終活の専門家としての「終活アドバイザー」の育成を目的としています。

終活アドバイザーとは

終活アドバイザーは終活アドバイザー協会が認定する民間資格です。終活アドバイザー協会が実施する「終活アドバイザー講座」を受講し、認定試験に合格することで資格を取得することができます。終活アドバイザー講座では、エンディングノートに関する知識や書き方といったノウハウを中心に学ぶことで、終活を行いたい人の相談相手になることができると謳われています。ちなみに終活アドバイザー協会のホームページには、終活アドバイザーの資格を取ったらできることとして次の5つを掲載しています。

① エンディングノートのアドバイスができる

 地域の集まりなどで、エンディングノートの書き方のアドバイスやセミナーの開催

② 終活で困っている人の相談相手になれる

 豊富な知識を持つことで、終活に困っている人の良き相談相手になれる

③ 専門家への紹介やコーディネート

 相談者に専門家を紹介するコーディネーターの役割ができる

④ 自治体窓口などへの同行や手続きの手伝い

⑤ 子どもや孫への引き継ぎを手伝う

学べること

終活アドバイザー講座は、ユーキャンの通信講座で受講することができます。受講費用は35,000円(税込み)ですね。この受講費用には、検定試験の受験料も含まれているようです。検定試験は、受講期間内(8か月)であれば何度でも挑戦できるみたいですが、マークシート式の試験で60%以上の得点で合格ということなので、受験したらほぼ合格できそうですね。なお、講座で学ぶのは次のようなことのようです。

終活とは

お金・金融資産・不動産

公的医療・公的介護保険、年金

高齢期の医療や介護

お葬式やお墓の知識

エンディングノートと終活

資産や物の整理

成年後見制度

高齢者施設

相続

終活にまつわるそのほかの資格

終活アドバイザーは民間資格です。特に参入障壁があるわけではないので、調べて見ると似たような終活にまつわる次のような資格が存在していることに気が付きます。

終活カウンセラー

2011年に設立された一般社団法人終活カウンセラー協会が認定している資格です。1日で6つの科目を学んだ後に、初級検定試験を受験し、合格すると「初級終活カウンセラー認定資格」を得ることができます。受講&受験は、ZOOMによるオンライン、通信講座、リアルの会場から選択できるようです。受講費用(検定料込)は、9,970円(税込み)です。

なお、初級終活カウンセラー認定後に、協会が開催する勉強回に1回以上参加した上で、事前レポート提出講習を受講し、課題取組試験に合格すると「上級終活カウンセラー」の認定を受けることができます。こちらのほうの費用は45,000円(税込み)ですね。

一般社団法人終活カウンセラー協会の公式サイトでは、この資格について次のように書かれています。

-「終活」に関して「カウンセラー」としてじっくり話を聴けるスキルを持った方です。終活に関する抽象的な「悩み」の中身が、どの分野の悩みであるのか、またどの専門家が必要であるかを見極める

「シニアのお困りごと案内人」

終活カウンセラーの知識は、専門分野を全て網羅するものではなく、終活に必要な幅広い知識を持ち、相談人の「悩み」がどの分野に当てはまるかを的確に応えることができ、また、案内してはいけない範囲のすみ分けができ、相談者が次に何をすれば良いか、また「話しを聴いてくれた」と喜ばれるスキルの持ち主。-

終活ライフケアプランナー

一般財団法人日本能力開発推進協会が認定し、株式会社キャリアカレッジが提供している講座になります。受講費用(検定料込)は通常は37,000円ですが、ネットからの申し込みで1万円割引となり27,000円(税別)をアナウンスしています。

一般財団法人日本能力開発推進協会の公式サイトでは、この資格について次のように書かれています。

-「終活」に関して熟知し、終活の有効性を伝えることができ必要なサポート・アドバイスを行うことができるスキルを証明するものです。保険・金融・不動産・葬儀関連・医療・福祉など「人生のエンディング」に関わるすべての方々に推奨している資格です。-

終活マイスター

2013年似設立された一般社団法人日本終活マイスター協会が認定している資格です。しかし、残念なことにこの協会は公式サイトが存在しないため、受講費用、受講内容、受験方法などが分かりません。Facebookページだけは存在していますが、それも休眠状態のようです。

終活士

2015年に設立された日本終活士協会(任意団体)が認定する資格です。受講費用(検定料込)は37,800円(税込み)となっていますが、これはDVDによる通信教育を受講後に認定試験を受験するというものですが、それとは別に「終活士養成スクール」というものがあります。こちらは3から4日間(16から18時間)にわたるWeb配信講座を受講し、レポートを提出すれば終活士の認定が受けられる、というものです。

日本終活士協会の公式サイトでは、この資格について次のように書かれています。

-安心かつ的確に人生のライフエンデイング・ステージ(終活)を行えるようライフエンデイング・ステージの各専門家(税理士・弁護士・司法書士・行政書士・ファイナンシャルプランナー等)及び各専門業者(葬儀関係・介護関係・医療関係)と連携し、終活相談者のライフエンデイング・ステージ問題に対し、エンディングノートの指導をはじめとする個々の相談者の実態に的確に対応できる終活に特化した専門家である。-

終活診断士

一般社団法人日本クオリティオブライフ協会が認定する資格です。同協会は、株式会社オートルリーブの代表取締役である清水晶子さんが代表理事を務めていますが、一般社団法人日本クオリティオブライフ協会の公式サイトは現在確認することができないため、この資格に関する最新情報も入手できません。以前の情報では受講費用(検定料込)は35,000円となっていました。

終活ガイド

2015年に設立された一般社団法人終活協議会が認定している資格です。初級検定はネット受講費用がゼロ円らしく、結構人気があるようです。初級に合格すると、中級、その上には上級も用意されています。こちらは、定員制の先着順らしいので、早めの申し込みが必要かもしれません。中級の受講費用は5,000円(税込)となっているようです。

資格取得後に各団体の会員になること

これらの資格を取得するために学ぶ内容は、ほぼ共通している模様です。これは、終活アドバイザーにも言えることですが、合格率がどの資格も、ほぼ100%なので、受講さえすれば誰でも合格し資格を取得できるという、あまり価値を感じられない資格といえます。そして、その資格の認定を受け続けるためには、それぞれの団体の会員になることが必須のようで、年会費が発生する、ということもほぼ共通しています。

いくつかの資格で、現在は機能していないと思われるご説明をしました。終活マイスター、終活診断士ですね。筆者が考えるに、終活がブームになったために、その周辺で何かビジネスにならないかと考えた人が多数生まれたのだと思います。そこで、資格を創り、その資格を取得するための講座や講習を立ち上げた。しかし、思ったようにビジネスとしては成功しなかった、そんなところだと思います。きっと、ほかにも消えていった資格があるかもしれないですね。

終活について悩んでいる、迷っている、相談したという人は

資格には、国家資格、公的資格、民間資格がある

以上のように終活に関する資格は百花繚乱状態といえます。では、終活に関して相談したいことがある人は、どの資格を持つ人に相談すればいいのでしょうか。何度か申し上げていますが、これまであげた資格は民間資格です。国が認めている国家資格(法律を根拠とした実務を行うことが許されている)でも、公的資格(資格認定の主体は民間、公益法人等だが、資格自体を中央省庁や大臣が認定している)でもありません。ちなみに、国家資格、公的資格は次のようなものになります。

【国家資格】

弁護士

税理士

司法書士

行政書士

不動産鑑定士

公認心理師

介護福祉士

社会福祉士

ファイナンシャルプランナー

【公的資格】

ケアマネージャー

消費生活アドバイザー

食品衛生責任者

診療情報管理士

日商簿記

福祉住環境コーディネーター

福祉用具専門員

メンタルヘルス・マネジメント

国家資格はもちろんですが、公的資格も取得するためにはかなり勉強しないとダメです。合格率も決して高くありません。短時間の講座を学ぶだけでよく、さらに合格率が100%近い資格にどれだけの信用性があるか疑問ではあります。

実務を任せられるのは国家資格か公的資格のみ

結論から申し上げます。民間資格である、終活アドバイザーなどの資格に大きな期待をすることはできません。例えば、終活を進めていく中で、遺言状を書こうかということになったとします。終活に関する資格保持者は、法律に関する知識を持っているとは限りません。もちろん法的な実務を行う権利も与えられていません。そのために、彼ら終活に関する資格者に相談して得られたアドバイスが、法律に則っていると判断するのは大きな間違いに成りかねません。そもそも、法律に関することをアドバイスしたら、それは不法行為になります。終活に関しては、遺言状のほかに、例えば墓(不動産)の購入、財産の生前分与など財産にかかわることが多数でてきます。とくに、悩みそうな、相談したくなるような専門的な話を終活関連の資格者に相談することはできないのです。もしも相談したら、相談を受けた終活関連の資格者は、弁護士や税理士などに相談話を持っていくことになります。相談を受けた終活資格者の人脈次第ですが、弁護士や税理士に幅広いネットワークを持っている人が多いかと言われると、ちょっと疑問です。となると、彼らも一から探すことになります。であればはじめからご自分で探したほうが、効率が良いような気もします。

では終活アドバイザーの立ち位置は

正直に申し上げると、エンディングノートの書き方、終活で何をすればいいのか、その進め方、それぞれで必要な国家資格者の説明、などについて教えてもらえるくらいだと思っています。これって、本を読んでも身につけることができるレベルのことなので、わざわざ終活資格者に相談しなくても良さそうな気もしますね。ただし、弁護士などの国家資格者は敷居が高いと感じる人も多いでしょう。費用も高そう、と心配される人も多いでしょう。そんな場合に、身近なところに終活アドバイザーなどの資格者がいたら、ちょっとだけ相談してみる、というのが最も有効が活用方法(相談方法)だと思います。短い時間であっても、その分野のことを学んだ人ですから、自分では気づかなかったことを気づかせてくれる、その期待は持てそうです。おそらく、相談費用もほとんどかからないと思いますので、リスクは少なくて済みますね。

終活アドバイザーなどの資格はとるべきか

取得方法

前段でも書いたように、資格を認定している団体が実施する講義や講習を受講して、検定試験を受けて合格すれば認定を受けられます。受講する時間は、資格によってまちまちですが、最短では半日でOKという資格もあるので、取得するハードルがかなり低いことは既にお分かりかと思います。まして高確率がほぼ100%では、誰でも受けて、誰でも合格できる実にお手軽な資格です。

取ることにどんな意味があるのか

資格に対する価値は、資格を取得する難易度に比例しているといって間違いないでしょう。つまり、これだけお手軽に取得できる資格には、やはりそれなりの価値しか見出すことはできません。資格を取得して、例えば「認定終活アドバイザー」と名乗ったとしても、その資格に基づいてできることはとほんどないため、資格を取得することに意味があるのかは、正直分かりません。

これだけで「仕事」にはならない

終活アドバイザーの資格を持っていたとしても、仕事にはなりません。つまり、この資格を持っていたとしても「食っていく」ことはできないのです。無論国家資格である弁護士であっても、弁護士というだけで仕事がどんどん舞い込むという時代ではなくなり、それなりの営業活動が必要なのが現代ですが、終活アドバイザーが営業活動をしても仕事になるのだろうか、これも考え込んでしまいます。

最終的に活かす途はあるのだろうか

終活アドバイザーなどの終活に関する資格は、資格というよりも終活に関する知識、ノウハウがほかの人よりも豊富であることの証左だと筆者は考えています。ですので、これらの資格を活かすために有効なのは、自分の本業に役立てること、ではないでしょうか。

例えば、銀行員や郵便局員が個別訪問をしている顧客のもとで、世間話をしている際に「終活で悩んでいる」という話がでたら、「実は終活アドバーザーの資格を持っている」ということを伝えた上で、相談にのることが考えられます。無論、この相談はあくまでも顧客に対するサービス、ボランティアです。その対応を顧客が評価してくれたら、本業での成果に結びつくかもしれません。

また、介護福祉士やケアマネージャーのように、日頃から高齢者に接することを仕事にしている人にとっては、高齢者の相談ごとの中に終活に関することが多いだろうことが想像できます。介護の技術だけではなく、終活に関する知識を身につけておくことで、お世話をする高齢者に対して、より寄り添ったサービスをすることが可能となると思います。

また、「弁護士」という敷居が高い存在から、あえて「終活アドバイザー」という身近な資格に降りてくることで、個人の財産や遺産相続に関しても積極的に関わっていくなんてことも考えられるかもしれません。弁護士事務所の中に、弁護士資格を有していない事務員の人に終活アドバイザーの資格を取得してもらい、ホームページにも終活アドバイザーが在籍する、『終活専門弁護士事務所』と謳えば、問い合わせが増えるかもしれません。

 

以上のように、終活アドバイザーなどの終活関連の資格単体では、おそらくそこからは、価値を生み出すのは難しいのではないか、と思います。しかし、ほかの国家資格や公的資格と組み合わせること、あるいは自分の本業を活かすためのツールの1つとすることで、なんらかの価値を生み出すことは期待できそうです。