長野県は本州のほぼ中央に位置し、「信州」と呼ばれ「信州そば」や「信州味噌」などが有名です。
山地の総面積が県の84%を占め、白馬や志賀高原など人気の高いスキー場もあり全国から多くの観光客が訪れます。
長野県で葬儀にかける費用は、全国13位の「153万4099円」で、隣近所との付き合いが深いことから高めになっています。
葬儀では昔からの慣習やしきたりが残っていますが、多くの参列者が集まる昔ながらの葬儀は年々減少してきており、「家族葬」など少人数で執り行われる葬儀スタイルがメインになってきています。
そのため、葬儀にかかる費用は次第に低下していっています。
互助会で会員になることで、月々数千円の負担がかからない積立を続け、将来必要となる冠婚葬祭に備えておくことができます。
「またいざという時の相談相手もできるので安心です。」
しかし一方で、この積立金だけで式典にかかる全部の費用をカバーすることにはならないことや、互助会が設定しているプランの種類はそれほど多くないこと、また解約するためには手数料がかかることなどは、事前に確認しておかなければなりません。
目次
長野県の互助会
長野県内で事業展開している「3つの互助会」をご紹介します。
アルファクラブ武蔵野株式会社
1962年(昭和37年)に埼玉県川口市で設立された葬儀社「さがみ典礼」から冠婚葬祭互助会を創設し、事業を広げていきました。
グループ全体では約1000名の従業員が働く大組織です。
長野県内には3つの結婚式場と23の葬儀ホールを保有しています。
会員向けに割引サービスなどの特典があるアルファカードを発行し、様々なお店で利用できるようになっています。
株式会社ごじょいる
1973年(昭和48年)「株式会社互助センター友の会」という名称で東京都豊島区を本社として設立されました。
2021年現在の、会員数は56万3000口、挙式組数が464件、葬儀件数は4728件となっています。
営業エリアは東京・山梨・長野・埼玉に広がっており、長野県内には3ヵ所の葬儀ホールを保有しています。
会員になることで、葬儀や結婚式の格安プランを利用できるほか、法要や成人式、七五三といった節目のためのプランも用意されています。
アステップ信州
1976年(昭和51年)に、長野県松本市を本社として「株式会社信州生活互助会」が設立されました。
その後2001年(平成13年)にアステップ信州と名称を変更しています。
令和3年6月現在で、加入者数は54,685口、預り金残高は84億6000万円となっています。
長野県内に結婚式場1か所、葬儀ホールを10か所保有して、会員向けに特別価格で利用できるようになっています。
長野県の葬儀時事情
長野県の葬儀事情について、「葬儀の慣習」や「費用」、「主な斎場」をご紹介します。
特徴
長野県では、火葬を先にしてから葬儀を行う「骨葬」とすることが多くあります。
また、葬儀や通夜を自宅で執り行う家庭も多く、親族や隣近所の人が料理や手伝いに集まる地域もあります。
長野県では、人付き合いや礼節を重んじる傾向があり、葬儀の参列者も人数が多くなります。
それをもてなす飲食の手配も必要になります。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると長野県は、全国13位の153万4099円となっています。
前述したように、長野県では隣近所や親せきの付き合いが深く、多くの人が手伝いに来たり、葬儀に参列したりする傾向があるため、飲食の費用がかかる傾向があります。
ただし、大規模な葬儀は年々減少してきており、家族など限られた人たちで故人を送る形式の葬儀が主流となってきています。
葬儀にかける費用も、全国的に低下してきており、長野県においても、こうした流れとなってきています。
斎場
長野県内の「主な公営斎場」をご紹介します。
<松代斎場>
松代斎場は、長野市が運営している公営斎場です。
城内には、火葬炉5基と個室の待合室が5室あります。
安置施設があるため、火葬までの間、遺体の安置が可能です。
建物はゆったりと設計されており、落ち着いた雰囲気で故人を送ることができます。
(アクセス) JR「篠ノ井駅」からタクシー15分
<大峰斎場>
大峰斎場は長野市が運営している火葬場で、地域住民の方は安い料金で利用できます。
火葬炉5基があり、炉前のホールの他に告別室ホール2室と収骨室があり、最後のお別れを静かに行うことができます。
(アクセス) JR「長野駅」からタクシー20分
<松本市営葬祭センター>
松本市営葬祭センターは平成9年に開設された公営施設で、松本市に住所がある方は火葬料が無料となり、待合室など設備は特別料金で利用できます。
火葬炉5基と和室・洋室の待合室があります。
(アクセス) JR「松本駅」からタクシー5分
互助会の組織とは
互助会の「歴史」や互助会の「仕組み」、そして全国的な「業界団体が設立された経緯」などをご紹介いたします。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
互助会は1948年横須賀で誕生しました。
戦後から数年しかたっておらず、復興に向けてやっと動き出した時代ですが、人々の暮らしに必要な物資は十分にいきわたっておらずやっとの思いで毎日の生活を送っている頃です。
そうした中でも、家族にとって節目になる冠婚葬祭は、きちんとやってあげたいという想いがあり、会員同士でお金を出し合って助け合う仕組みができていきました。
高度成長期となる1970年代には、日本は驚異的な経済成長を遂げ、一般家庭にも豊かさが広がっていきました。
互助会の加入者もこうした社会変化とともに急激に増えていきました。
都市部にできた工場に働く若者が集まり、将来の結婚に備えて互助会に加入する動きが広まりました。
その後、バブル期を経た日本社会は、少子高齢化の流れが進んでいきます。
葬儀に対する需要が高まり、今日の「互助会事業の中心」となってきています。
互助会の仕組み
互助会の基本的な考え方は「相互扶助」という言葉にあるように、会員同士がお互いに助け合うことです。
互助会の加入時に利用希望するプランを選び、積立を始めます。
積立金は月々数千円となっており、経済的な負担がないように設定されています。
積立期間は「5年~10年」という長期になっています。
積立を完納すると、選択したプランが会員価格で利用できるようになります。
この権利は生涯に渡って使えるもので、物価が上がっても追加料金は不要です。
完納前に利用したい場合は、残金を全て支払えば、同様の権利を得ることになります。
互助会には多くの会員が毎月積み立てたお金を預かっていきますが、その豊富な資金を活用して、施設建設や設備購入の資金としたり、従業員を雇用したりしてサービスを提供するよう運営しています。
また、大半の互助会では、冠婚葬祭に関連した事業を会員向けに展開しており、貸衣装、飲食、返礼品、写真撮影などを割引価格で利用できるようにしています。
全国的な互助会組織
日本全国には、冠婚葬祭を扱う互助会の組織が約250あり、それぞれは独立して運営されています。
そうした互助会に加入している会員の総数は「約2240万人」で、積立金の合計額は「2兆5000億円」にも上ります。
日本国内で1年間に営まれた「葬儀の約2割が互助会によるもの」となっています。
日本の経済成長に伴い、互助会の加入者は急速に増加しました。
そうした状況を見て、新たな互助会が続々と設立されていきましたが、全て互助会がうまくいったわけではありません。
中には会員を集められなかったり、資金管理がうまくできなかったりして経営が破綻する互助会も現れるようになりました。
当時は、互助会運営に関するルールが確立していませんでした。
破綻した互助会の会員に積み立てたお金が戻ってこない、という状況になったことで、社会的な批判が高まりました。
こうした状況に危機感を募らせた互助会関係者も多く、互助会運営が健全に行われるために全国的な互助会組織を作るように働きかけていきました。
そして、1972年に経済産業省の管轄下で、「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」が立ち上げられ、全国の208の互助会が参加しました。
協会が主導して互助会運営の統一ルールが構築され、全国の互助会同士が連携する仕組みも作られていきました。
互助会会員が転居した場合でも、転居先にある互助会に積立金を引き継げるようになりました。
長野県で互助会に加入するメリット・デメリット
長野県で互助会に加入することの「メリットとデメリット」を見ておきましょう。
メリット
互助会の会員になることのメリットは、月々わずかな金額の積立をしていくだけで、将来必要となる冠婚葬祭の費用に備えることができるということです。
そして、万が一の時に相談相手となる窓口が明確になり、「安心感」が得られます。
その他、互助会では、様々な会員向けサービスを提供しているケースが多く、提携のお店や企業の商品・サービスを会員価格で利用できます。
デメリット
互助会に加入するデメリットとして挙げられるのは、積立金が申し込んだプラン以外に使えなくなり、固定化するということです。
また、どうしても現金が必要な状況になり、互助会を解約することになった場合、積立金から手数料が引かれることになります。
その他、プランの種類が限られていることや、積立金だけでは冠婚葬祭にかかる費用の全額はカバーできないことなどは、加入前にしっかり確認しておいたほうがいいでしょう。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する際に注意すべきことをチェックしておきます。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会に加入するメリットとして、月々数千円という経済的な負担がない金額を積み立てていくだけで、将来の冠婚葬祭にかかる費用に備えることができるといわれています。
しかし、この積立金だけでは、冠婚葬祭には不十分であることは、しっかり認識しておく必要があります。
互助会の積立期間は5年~10年となっています。
月々数千円なので、最終的な積立金の合計は「30万円~50万円程度」です。
この金額は申込したプランについての金額となりますが、プランに入っているのは、基本的な装具や式典の運営サービスの料金に限られています。
式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代はプランに含まれていないため別途用意しておく必要があります。
参列者が何名になるかで大きく変動しますが、「100万円~150万円」ほどは見込んで用意しておくといいでしょう。
解約には手数料が必要
互助会の積立金と同様に、定期預金や生命保険も、毎月決まった金額を積み立てていくものです。
ただし解約する際には、定期預金や生命保険では手数料がかかりませんが、互助会の積立金の解約には手数料がかかるので注意が必要です。
事情があって、どうしても現金が必要になって互助会の積立を解約したとしても手数料が引かれて返金されることになります。
互助会運営の統一ルールが作られる以前には、25%という法外な金額の手数料をとっていた互助会がありましたが、現在では「10%~15%」となっています。
経営破綻の可能性もありうる
高度成長期には経済が大幅に発展し、人々の暮らしが豊かになりました。
また、若者が都市部に集まり、将来の結婚のために互助会に加入するケースが広まりました。
そこに対応して、新たな互助会が続々と新設されましたが、中にはしっかりとした経営ができずに破綻する互助会も現れるようになりました。
その当時には、互助会運営の統一ルールが確立されておらず、積立金が戻ってこなかったことで大きな問題となりました。
互助会は、経営がうまくいかなければ破綻することがあり得ます。
「加入する前に経営状況も確認しておいたほうがいいでしょう。」
互助会運営の統一ルールによって、積立金の半額は保全されるようになり、万が一経営破綻した場合にも、半分は返金される仕組みができています。
互助会の選び方
互助会を選ぶには、「どのように選べばいい」のでしょうか。確認しておきましょう。
情報収集
互助会を選ぶ際には、まずしっかりと情報を集めておきましょう。
どの互助会も「ウェブサイト」で情報発信していますので、そちらから基本的な情報を確認することができます。
その中で、さらに詳しく知りたい場合には、資料請求をしていきます。
加入前に疑問点や不明点はすべてクリアにしておきましょう。
特にお金が関係することに関しては、100%はっきりわかるまで躊躇せずに質問しておくことをおすすめします。
自宅近くの互助会
互助会加入後、しばらくは積立しているだけなので、互助会の事務所がどこにあるのかはあまり気になりませんが、いざ自分で式を執り行うとなると、担当者との打ち合わせがあるためあまり離れていると大変になります。
こちらから行くにも億劫ですし、自宅に来てもらうのも申し訳ないので、頻繁に打ち合わせることが難しくなります。
近くにいれば、些細なことでも相談しやすい、という「メリット」があります。
経営状態をチェック
互助会に加入後、積立をしている期間は5年~10年という長期間です。
完納後もすぐにプランを利用しないケースが多く、人によっては10年以上もそのままということもあります。
それほどの間、互助会の経営状態を確認しないのは、やはりリスクがあります。
金融機関や保険会社などは、検査機関がありますが、互助会にはそこまでの検査が入ることはないので、加入者のほうで経営状態をチェックする必要があります。
経営に関する情報は公開されているものがありますので、出来る範囲で確認しておくと安心できます。
またネット上の「口コミ」にも目を通しておくといいでしょう。
【長野県で互助会に加入するなら?】長野県の葬儀事情や斎場、互助会の選び方や注意事項を解説 まとめ
長野県は、親せきや隣近所とのつながりが深く、飲食や返礼品などで葬儀費用も高めになっていますが、今後はさらに家族葬をメインとした小規模な葬儀が多くなっていくことが予想されます。
それに伴い、葬儀にかける費用も低下していくことと思われます。
互助会の在り方も、こうした社会の変動に対応して展開されていくでしょう。