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新型コロナウイルス禍で注目される「お別れの会」

記事公開日:2020.04.28/最終更新日:2023.04.05

読了予測:約5分

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本中に緊急事態宣言が出されたことで、葬儀は小規模化、簡略化されるようになっています。そんな状況下で、故人とのお別れをしっかりと行うために「お別れの会」が改めて注目を集めています。今回は、お別れの会について考えてみましょう。なお、著名人が亡くなった時に『葬儀は身内で行い、後日お別れの会を開催します』という案内を目にしますが、この「お別れの会」はファンなど不特定多数の人が参列可能なお別れの場ですので、ここでは一般の「お別れの会」に限定した話です。

「お別れの会」に決まりは何もない

まず「お別れの会」とはどのような会なのか。はっきりと言いましょう。定義も決まりも、何にもありません。完全に自由に行うことができる会です。自由葬と言われる無宗教の葬儀も普及していますが、本来葬儀とは宗教的な儀式です。そために、宗教宗派により式次第や、喪家(主)の役割、参列者のマナーなどには一定のルールが存在します。しかし、「お別れの会」は宗教的な儀式から切り離された、新しい形の葬送の場ですので規定のルールは存在しません。制約があるとすれば後でも書きますが、会場をホテルやレストランにした場合に、遺骨を持ち込むことができなかったり、焼香ができなくなったりすることがあるくらいです。

葬儀同様に大切なのは、故人を見送る想い、それだけです。

もともとは告別式

一般的なフルバージョンの葬儀は、葬儀式と告別式を同一会場で連続して行います。葬儀式は、宗教的な儀式で、宗教者の読経やお祈り、焼香や献花などの流れで故人の冥福を祈るものです。この葬儀式の終了後に告別式に移行します。一般的には司会者が『以上で葬儀式を終了し、続けて告別式に移ります』などと案内をします。葬儀式の終了前に、宗教者が一旦退場する場合もあります。(宗教、宗派によっては、告別式までを一貫した葬儀として、宗教者も残った上で所定のルールに則り行うところもあります。)

告別式では、読経やお祈りは行われずに、弔辞や弔電や読まれ、参列者が故人と「文字通り」お別れをする場となります。つまり、行われなかった告別式を改めて別の日に開催するのが「お別れの会」である、ということが言えるでしょう。

ちなみに、日本で初めて告別式が行われたのは、1901(明治34)年の中江兆民の葬儀だとされています。ルソーの『社会契約論』の翻訳者として知られる思想家の兆民が亡くなった時に、遺族や友人は葬儀式を開催することなく、完全無宗教の「お別れの会(当時はこのような名称は使っていませんが、実態はそうだと思います)」を開催したのだとか。これが告別式、そして「お別れの会」の起源だと考えています。

完全自由とはいえ、いくつかポイントを

『何も決まりはないから自由にやっていい』と言われると、それはそれで困ってしまう人も多いでしょう。最低限おさえておきたいところだけ、簡単にご案内します。

主催者

遺族でも、友人・知人のいずれでもOKです。友人・知人が主催する場合は、遺族が喪主、主催者が施主という立ち位置になりますね。なお、遺族以外が主催する場合には、開催すること、会の詳細について遺族の理解と了承を得ることが必要なのは言うまでもありません。

会場

斎場やセレモニーホールでも、日を改めた「お別れの会」を開催できるところがあります。また、それだけではなく、ホテルのバンケットやレストランを貸し切るなど会場は自由に決めて良いです。ただし、先に書いたように会場によっては制約があるので、行いたい会の内容が実現可能かどうかは、必ず確認してください。

会の形式

自由です!主催者の企画次第です。一般的には、本来の葬儀式・告別式の流れに準ずるセレモニー形式と、完全自由なパーティ形式に分かれるようです。会場を運営する事業者は、いくつかのモデルプランを用意しているでしょうから、迷ったら相談するのが一番でしょう。無論迷わなくても、会場によっては実現不可能なこともあるので、主催者は企画を会場運営者と詰める必要があるのも言うまでもありません。

参列するときの服装

案内に書かれていることに従いましょう。「平服でお越しください」と書かれている場合は、喪服以外を選択しましょう。ただしカジュアルな服装はNGです。男性はダークスーツにシックなネクタイ、女性もダーク系のスーツやワンピースで派手なアクセサリも控えたほうが無難です。

故人がお祭り好きだった場合などに例えば「お祭りの衣装で」などもあるかもしれません。その場合は、その内容を尊重しましょう。

もしも何も書かれていない場合は、男性女性とも喪服(略式化)で参列しましょう。

香典(会費)

「お別れの会」は会費制で行われることが多いようです。これも案内に従いましょう。会費が明記されていたらその額を、不祝儀袋ではなく白封筒に入れて受付で出すのが無難かと考えます。会費が明記されていない場合は、香典を持参しましょう。通常の葬儀の香典とは異なり、1万縁から2万円を「御霊前」「お花代」と記載された不祝儀袋に入れて持参しましょう。

会の内容

完全自由とはいえ簡単に「お別れの会」で行うことをご案内しますね。基本は次のような告別式で行うことを参考にすれば良いと思います。

  • 施主、喪主による挨拶(開会、閉会)
  • 故人の略歴紹介
  • 弔辞
  • 弔電披露
  • 焼香、献花
  • 会食

上記以外に「故人が元気だったころの動画を流す」「故人が好きだった歌を皆で歌う」「故人が好きだった料理を食べる」など企画次第です。

開催日

本来であれば、故人が彼岸に旅立つ四十九日の法要前が望ましいのですが、現在の新型コロナウイルス影響下では、その日程では難しいでしょう。故人としっかりとお別れをする、という想いさえあれば、日取りに縛られることはないでしょう。遺族や参列者が、お別れができる日程を選んで問題ないと考えています。この考えは、新型コロナウイルスから開放された後も普遍的だと筆者は考えています。なんと言っても「自由」なのが「お別れの会」なのですから。