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【寺社参り・お墓参り】本興寺〈尼崎市〉~阪神電鉄尼崎駅~

記事公開日:2019.04.10/最終更新日:2023.04.24

今回ご案内するのは兵庫県尼崎市の本興寺です。尼崎には寺町という一角があります。1617年に時の領主である戸田氏鉄が尼崎城を築城するにあたり、築く場所周辺にあった寺院を集めて寺町としたものです。江戸時代には20を超える寺院が存在していたそうで、現在でも11の寺院が残っています。その1つである本興寺には、特に文化的な遺産が多く残されています。

 

三重塔

阪神尼崎駅から歩いてくると、荘厳な三重塔が見えてきます。そこを目指して歩みを進めると本興寺にたどり着きます。ただし、三重塔があるのは裏門なんですね。裏門から入ることもできますが、お参りはやはり正面から。ぐるっと廻って正門から入りましょう。

 

本興寺は、日蓮を宗祖とする法華宗の主要な宗派の一つで、日隆を派祖とする法華宗本門流の総本山です。本門流には、京都の本願寺、静岡県沼津市にある光長寺、千葉県茂原市にある鷲山寺と本興寺と4つの総本山があります。特に著名な本願寺が宗派伝導の役割を担っていたのに対して、本興寺は教学の中心として「勧学院」という学びの場が設けられました。それが現在まで受け継がれ「興隆学林専門学校」という名に改められて、全国から多くの僧侶希望者が集い修行と学問に励む場になっています。

 

本興寺境内には三重塔だけでなく、荘厳な建物が連なっています。決して広い敷地ではないため隣り合う建物は実に調和の取れた配置が施されていて、一体として眺めたときの美しさに目を奪われます。本興寺には国の重要文化財に指定されている「開山堂」「三校堂」「大方丈」3つの安土桃山時代に建立された建物があります。それ以外にも、尼崎市指定文化財の「三光堂向唐門」、兵庫県指定文化財の「鐘楼」、「本堂」、「祖師堂」などの建物があり、その全てが”見応えあり”です。

大方丈(重要文化財)

開山堂(重要文化財)

 

建物内部にも多くの文化財が残されています。国の重要文化財の指定を受けているのが、日蓮が所持したとされ天下五剣の1つといわれる太刀「数珠丸恒次」、日隆自ら開眼したといわれる「木造日隆聖人坐像」。この2つを含めて、そのほかに県・市の指定文化財や美術品など、宝物殿に納められている寺宝は、毎年11月3日(文化の日)に開かれる「虫干会」で一般公開されています。

 

貴重な文化財が御開帳される「虫干会」の参拝者数は、流石にもの凄いらしいです。それ以外の日であれば、内部の文化財を見ることは叶いませんが、ゆっくりとお参りをして建物を見て回ることができます。2020年には開山600年という大きな節目を迎える本興寺。ゆるキャラの「ほんこじさん」が出迎えてくれますよ。

開山600年のマスコット「ほんこじさん」