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【樹木葬とは?】選び方のポイントやメリット・デメリット、費用相場などを解説

記事公開日:2023.09.04/最終更新日:2023.09.04

【樹木葬とは?】選び方のポイントやメリット・デメリット、費用相場などを解説

近年では、葬儀やお墓に対する考え方が多様化し、これまでとは違った様々な葬儀や埋葬の形式が現れてきています。

 

そうした中で、新しい埋葬の方法として人気になっているのが「樹木葬」です。

 

死後は自然に還りたい、子どもにお墓の継承のことで負担をかけたくないといった理由で樹木葬を希望する人が増えています。

 

樹木葬は1999年岩手県一関市にある祥雲寺というお寺(現在は知勝院)で初めて実施され大きな話題となりました。

 

その後、全国で行われるようになり、2012年には東京の都立霊園である小平霊園で初めて募集したところ非常に多くの応募がありました。

 

樹木葬には、「庭園型・公園型・里山型」の3種類があり、埋葬方法には、「合祀タイプ、共同埋葬タイプ、個別タイプ」の3種類の方法があります。

 

樹木葬のメリットとして維持管理が不要、価格が抑えられる、宗教宗派を問わないといったことがあります。

 

逆に、デメリットとしては、遺骨の返還ができない場合があることや、子や孫に承継できないといったことがあります。

 

注意すべき点として、家族や親せきとしっかり話し合って理解を得る必要があること、遺骨は変換されないことを理解しておく必要があるといったことがあります。

 

この記事に樹木葬のことを詳しくまとめてありますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

こちらのページにも樹木葬についてまとめてあります。
⇒ 参照してください。

 

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樹木葬とは

 
樹木葬とは
 
樹木葬とは、近年話題になっている「新しい埋葬方法」です。

 

墓石を建てずに、樹木を墓標として用いて故人を弔います。

 

死後は自然に還りたいと考える自然志向の影響や、墓石とは違った解放感が好まれています。

 

また、埋葬後のお墓の管理を個人で行う必要がなく、お墓の継承を考える必要がない点も現代にマッチしていることから、利用者が年々増えてきています。

 

樹木葬は寺院のほか、公営霊園民営霊園でも運営されるようになっています。

 
 

樹木葬の特徴

 
樹木葬の特徴
 

樹木をシンボルとする

 
樹木葬は墓石を用いる代わりに樹木をシンボルとして弔うスタイルです。

 

樹木の使い方には特にルールはなく、大きな木の周りに埋葬するところや1区画ごとに木を植えて育てていくところ樹木とともに草花や芝生を植えてガーデン風にしたところなど、霊園によって様々な形で運営されています。
 

継承を必要としない

 
樹木葬では、基本的に継承を必要とせず、利用する方のほとんどが一人夫婦などのケースです。

 

子や孫に墓守の負担をかけたくないと考える方が増えた影響だと思われます。
 

安価な埋葬方法

 
樹木葬は墓石を建てず、遺骨を埋葬するスペースを用意するだけのシンプルな形式ですので、一般的なお墓に埋葬するよりも費用がかかりません
 

樹木葬の種類

 
樹木葬の種類
 
樹木葬は、埋葬のしかたについての明確な規定はありません。

 

施設の作り方や周りの環境などから大きく「3つ」に分類されます。
 

庭園型

 
施設内のシンボルとなる樹木の周りに植栽を施して、庭園のような雰囲気に仕上げています。

 

都市部の寺院霊園の一角に設けられることが多いようです。
 

公園型

 
芝生や草花を植えて公園のような雰囲気を作り出し、手入をされた草花の美しさを演出するタイプの施設です。

 

霊園の一部をこのように造成しているケースが多く見られます。
 

里山型

 
人の手をなるべく入れず、自然の中に埋葬するように運営されている施設です。

 

郊外の山林などに区画を設けて、遺骨を埋葬しその周辺に樹木を植えるケースが多いようです。
 

樹木葬の埋葬方法

 
樹木葬の埋葬方法
 
樹木葬の埋葬方法には「合祀タイプ」「個別タイプ」「共同埋葬タイプ」の3種類があります。

 

合祀タイプ

 
合祀タイプは、故人の遺骨を取り出し、他の方の遺骨と一緒に埋葬する方法です。

 

費用を抑えることができる反面、後からお骨を取り出せなくなります。

 

また、他人と一緒に納骨されることに心理的な抵抗がある方がいるかもしれません。
 

個別タイプ

 
個別タイプは、一人分あるいは家族分の専用の区画を設けて納骨します。

 

納骨の方法は、骨壺に入れるか布袋などに入れるなどして埋葬されます。

 

価格は合祀タイプよりも割高になります。

 

納骨し一定期間が経過した後は、合祀のエリアに移され永代供養されるところが多いようです。

 

共同埋葬タイプ

 
共同埋葬タイプは、シンボルとなっている樹木の下が区分されており、他の人の遺骨と混ざらないようになっています。

 

区画で分けられているため合祀タイプよりは割高ですが、一般的なお墓よりは価格はかかりません

 

お墓との違い

 
お墓との違い
 
一般的なお墓に埋葬するのと、樹木葬ではどのような違いがあるでしょうか。

 

1. 継承するかしないか

お墓は家族や血縁者が代々継承していくというのが基本的な考え方となっています。

 

継承する人がいなくなった場合には、墓じまいをすることになります。

 

継承した人は、同時に毎年の管理費用を支払う義務も受け継ぐことなります。

 

そのため、お墓は自分がなくなった後も子孫に遺しておけるのです。

 

それに対して、樹木葬は継承する必要がありません。

 

自分自身や夫婦、家族で利用するケースがほとんどです。

 

自分の子孫に墓守の負担をかけたくないと考えて樹木葬を選択する方も多いです。

 

2. 遺骨の供養方法

一般的なお墓と樹木葬では、遺骨の供養の方法が異なります。

 

お墓の場合は、骨壺に遺骨を入れて納骨棺に納めておき、その後はその状態のまま供養されます。

 

樹木葬の場合は、多くの場合遺骨は土に還るものと考えて管理されています。

 

個別に埋葬されたタイプでも一定期間が経過した後は、合葬することがほとんどです。

 

自然志向の考え方が反映されています。

 

3. 費用

一般的なお墓の購入価格は、「150万~200万円」となり高額です。

 

先祖代々のお墓があり、自分もそこに入るということであれば購入費はかかりませんが、毎年の管理費が「1万~2万円」かかります。

 

それに対して樹木葬にかかる費用はタイプによってかなり違いはありますが、20万~80万円が相場となっており、毎年の管理費は不要です。

 

樹木葬が話題になっている背景

 
樹木葬が話題になっている背景
 
日本初の樹木葬が行われたのは、1999年岩手県の大慈山祥雲寺(現:長倉山 知勝院)というお寺でした。

 

埋葬した遺骨の周りに低い木を植えていき、里山の緑化を進め、大きな話題となりました。

 

その後も、樹木葬を取り入れた霊園や寺院は広がりを見せ、2012年には都立霊園として初めて小平霊園で樹木葬の公募がされました。

 

初年度の公募では、500体の募集に対し応募が8,169体、倍率は16.3倍となったことで、樹木葬に対する注目度の高さが現れることになりました。

 

その後も各地で樹木葬は発展を見せており、民間霊園公営霊園寺院でも運営されるようになっています。
 

樹木葬のメリット

 
樹木葬のメリット
 
樹木葬にはいくつものメリットがあります。

 

確認しておきましょう。
 

維持管理が不要

 
一般のお墓ではそれぞれの家族が手入れや管理をする必要がありますが、樹木葬では基本的に施設側が清掃や樹木の手入れなどを行います

 

また、子や孫に継承するものではないので、埋葬して一定期間が経過した後は、施設が供養を続けてくれます。
 

お墓よりも費用を抑えられる

 
お墓よりも費用を抑えられる
 
一般的なお墓の購入金額は150万~200万と高額になります。

 

これに対して樹木葬の場合は、「20万~80万円」が相場で、安価なタイプであれば1名10万円前後で済むところもあります。

 

また、管理料や寄付などの費用も不要であるためトータルで費用を抑えることができます

 

宗教・宗派を問わない

 
樹木葬では子や孫に継承しないことが前提となっているため、寺院であっても宗教や宗派を問わずに受け付けているケースが多いです。

 

ただし一部では条件があるところもあるので、事前の確認は必要です。
 

お参りの対象がはっきりしている

 
お参りの対象がはっきりしている
 
散骨をする場合は、お骨を細かい粉状にして海に撒きます。

 

遺族は海に向かって手を合わせることになりますが、対象となる特定のものがありません。

 

樹木葬であれば、シンボルとなっている木や故人の名を刻んだ銘板などに向かってお参りができます
 

樹木葬のデメリット

 
樹木葬のデメリット
 
樹木葬のデメリットについても確認しておきましょう。
 

遺骨の返還ができない場合がある

 
合祀タイプの樹木葬では、故人の遺骨を他の方の遺骨と合わせて埋葬するため、後から1人分だけを取り出すことはできません。

 

個別タイプであっても、骨壺に収納されていない場合や、一定期間後に合祀スペースに移された場合も取り出すことができません。

 

将来、お墓を建てたいと考えている場合は、お骨の管理方法を考えておく必要があります。
 

子や孫に承継できない

 
子や孫に承継できない
 
樹木葬は申し込みをした本人や家族だけのもので、その後の子や孫に代々継承させることはできません

 

引き継いでいってもらいたいと考える場合は、一般のお墓を選択するほうがいいでしょう。
 

里山型はアクセスがよくない

 
里山型の樹木葬の場合は、都市部から離れており交通の便があまりよくないケースが多いです。

 

また、最寄り駅から山を登っていかなければならないこともあるため、お参りがしにくいケースが多いので確認しておいたほうがいいでしょう。
 

樹木葬を選ぶポイント

 
樹木葬を選ぶポイント
 
どのような樹木葬を選ぶかは、現地を見て話を聞くなどしてから決めることになります。

 

その際に選ぶポイントをチェックしておきましょう。

1.雰囲気・環境

樹木葬の埋葬場所は、一般的な墓地とは違っており、雰囲気や環境はそれぞれ異なります。

 

現地を訪問し、周りの環境や施設の雰囲気などをじっくり見てから決めるといいでしょう。

 

2.埋葬方法

樹木葬の埋葬方法は、施設やプランによって規定があり、「合祀タイプ・個別タイプ・共同埋葬タイプ」に分かれています。

 

またお骨の収納方法でも骨壺のままや、取り出して遺骨のみを埋葬する、布袋に入れるなど様々です。

 

一般的なルールがないので、事前に確認しておく必要があります。

 

3.お参りの方法

樹木葬の場合は、お参りの方法にそれぞれルールが設けてあり、線香をたいてはいけない、供花は決められた場所に備えなければならない、などと規定されています。

 

お参りの方法について確認しておきましょう。

 

4.宗教・宗派のルール

多くの樹木葬では、宗教や宗派を問わず利用可能ですが、寺院が運営する墓地の中には檀家に入ることが前提であったり、独自のルールが設定されていたりするケースがあります

 

5.交通手段

施設までの交通手段を確認しておきます。

 

車を利用している場合は、高齢になって運転できないときのことを考えて、公共交通機関を利用する場合のことも調べておいたほうがいいでしょう。

 

6.管理体制

樹木の手入れや区画の整備、掃除などがきちんとされているかを確認しておきましょう。

 

また、管理を担当する人の人柄も見ておくといいでしょう
 

樹木葬の費用相場

 
樹木葬の費用相場
 
タイプ別の費用相場は以下のようになります。

 

  • 合祀タイプ:8万円~20万円
  • 個別埋葬タイプ:30万円~80万円
  • 共同埋葬タイプ:15万円〜60万円

 

個別に埋葬するタイプが一番高額で、他の人の遺骨と一緒に埋葬する合祀タイプは価格が安くなります。

 

他の人と一緒の埋葬でありながら区分されている共同埋葬タイプはその中間の価格です。

 

樹木葬の価格には、使用料埋葬料管理料が含まれているケースが多いです。

 

ただし、家族で契約している場合は、それぞれに埋葬料がかかったり、埋葬される方が生前の場合のみ管理料が発生したりなど、場合によって費用の発生がありますので事前に内訳を確認しておいたほうがいいでしょう

 

このほか、故人のお名前を石板などに彫るサービスをオプションで提供していることが多いようです。
 

申し込みから納骨までの流れ

 
申し込みから納骨までの流れ
 
樹木葬は多くの場合、生前に自分や家族のために契約します。

 

申し込みの流れは、一般的な墓地の場合とほぼ同じです。

 

1.情報収集

インターネットを使ったり、墓石店でパンフレットを集めたりなどして情報収集します。

 

2.現地見学

気に入ったところがあれば、予約を入れたて現地へ見学に行きます。

 

雰囲気や周りの環境、プラン、交通アクセスなどをチェックしておきましょう。

 

不明点は遠慮せず担当者に確認しておきます。

 

3.契約・入金

気に入ったところがありプラン内容等にも納得したら、契約し費用を納めます。

 

すぐに決める必要はなく、比較しながらじっくり検討するといいでしょう。

 

4.使用許可証の交付

入金が確認されると使用許可証が発行され、樹木葬の使用者となります。

 

埋葬までの流れ

 
埋葬までの流れ
 
樹木葬の場合は、散骨と異なり、お墓の一種という扱いになります。

 

埋葬までの手続きもお墓に埋葬する場合と同じです。

 

1.死亡届を提出

役所に死亡届を提出し、火葬許可証を発行してもらいます。

 

2.火葬

火葬場で火葬許可証を提出して火葬します。

 

後日火葬場から埋葬許可証が送付されます。

 

3.樹木葬の施設に埋葬許可証を提出

埋葬日を打ち合わせて決定し、遺骨を持参します。

 

施設によって埋葬の仕方が異なりますので事前に確認しておきましょう。

 

樹木葬がある霊園の紹介

 
樹木葬がある霊園の紹介
 
樹木葬がある霊園は全国各地に広がっています。

 

その中からいくつかご紹介します。
 

知勝院

 
1999年岩手県一関市にある祥雲寺というお寺(現在は知勝院)が樹木葬を始めたのが
日本初といわれています。

 

「花に生まれ変わる仏たち」というコンセプトのもと、区画ごとに低い木や花を植えます。

 

お寺の墓地でありながら宗教や宗派を問わないということで話題になり、全国各地から問い合わせがありました。

 

都立小平霊園

 
2012年に都立霊園として初めて樹木葬の受け入れを始め、その人気の高さに大きな話題となりました。

 

当初はシンボルとなる木の下に共同埋葬施設を設けていました。

 

その後個別埋葬タイプの樹木葬も開始しています。
 

稲城・府中メモリアルパーク

 
稲城・府中メモリアルパークは、2015年に稲城市と府中市の2市によって新設された霊園です。

 

多様なニーズに合わせて「芝生墓地、普通墓地、合葬式墓地と樹木葬」の墓地の4つの形態の墓地が用意されている新しいタイプの墓地です。

 

横浜市営メモリアルグリーン

 
2006年に開設されたメモリアルグリーンは、水と樹林や草花などの美しい自然に包まれ、公園と一体となった墓地です。

 

施設内には、「芝生型、合葬式樹木型、合葬式慰霊碑型」の3種類の納骨施設があります。

 

シンボルツリーの足元の芝生に、直接骨壺を埋蔵する形式の樹木葬を行っています。

 

樹木葬で注意すべきポイント

 
樹木葬で注意すべきポイント
 
樹木葬にする場合には、いくつか「注意すべきポイント」があります。

 

トラブルにならないように事前に確認をしておきましょう。
 

周囲の人の理解を得る

 
樹木葬に対して、子孫が継承しないことなどを理由にネガティブなイメージを持っている人が半数近くいます。

 

多くの方にとって代々続いてきたお墓を守って次の代につなげていくものと考えられています。

 

樹木葬にすると決める前に、家族や親せきとしっかり話し合いをして理解を得てから申し込みをするほうがいいでしょう。
 

遺骨は返還されないことを理解する

 
遺骨は返還されないことを理解する
 
合祀タイプの樹木葬などでは、埋葬の際には他の人の遺骨と一緒になることが前提となっており、後から取り出すことはできません。

 

もし、一般的なお墓を建てたいとしても遺骨をその墓に収めることができないということは、事前に話し合っておく必要があります。
 

自分で草木を植えることはできない

 
樹木葬の中でもシンボルとなる木の周りにきれいな草花を植える、庭園風なものが好まれています。

 

ただし自分でその場所に草木を植えることはできませんので注意しましょう。

 

樹木の管理は施設側で行っていますので、利用者がやることはありません。
 

【樹木葬とは?】選び方のポイントやメリット・デメリット、費用相場などを解説 まとめ

樹木葬は近年興味を持っている人が増えている注目の埋葬法です。

 

樹木葬に対応した霊園も全国で増えています。

 

価格が安いことや、継承しないでいいことなどから、今後も利用したいと考える人は増えていくでしょう。

 

ただし、家族や親せきの中には、お墓を代々守るのが当然のことだと考える人も少なくないので、しっかりと話し合いをして理解を得てから購入するようにしましょう。

 

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