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土葬 の話

2020年08月28日

日本ではごく当たり前の火葬という埋葬方法は、実は世界的にみると多数派ではありませんでした。海外では特に、キリスト教、イスラム教などの宗教的な理由により、土葬が主流の国が、いまだに多く見受けられます。ただし、土葬文化の国であるアメリカでも、火葬と比べると格段に費用がかかる土葬を避けるケースが近年は急激に増えているそうなので、将来は世界中で火葬が主流になるかもしれません。

日本は、火葬率が99%超の火葬大国らしいのです。でも、100%ではない以上別の埋葬方法も選択されていることになります。ちなみに、この火葬率は遺体を火葬したかどうかが問われるので、例えば、焼骨を墓地に埋葬せずに手元供養にするとか、あるいは散骨(法的には認知されていません)をする、というケースも火葬に含まれています。火葬以外の埋葬方法としては以前も記事に書いた、沖縄の一部で行われていた風葬があります。(「50年くらいまで沖縄の一部に残っていた風葬を調べてみました」)しかし風葬は現在ほぼ消滅しているようですので、残りは土葬となります。

土葬が法律で規制されているわけではない

日本の埋葬に関して定められているのが「墓地、埋葬等に関する法律」です。この法律の第2条第1項には「この法律で埋葬とは、死体を土中に葬ること。」とあります。また、同条第5項では「墳墓とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。」とあります。焼骨は遺体を火葬にした後の骨のことですから、その前段に規定されている「死体を埋葬」は土葬のことを指すことになります。つまり、法律では土葬を禁止しているわけではない、つまり違法行為ではないのです。だからこそ、わずかですが土葬文化が残っている地域が残っている、ということになります。現在でも、奈良県、和歌山県、島根県などの一部に土葬を行っている集落があるようです。

火葬の普及と条例による規制

日本で火葬が一気に普及したのは明治時代からです。1880年代後半からコレラなどの伝染病が相次いて流行し、1897年に施行された「伝染病予防法」で「伝染病患者ノ死体ハ火葬スヘシ」と規定されました。それ以降は、土葬が主流だった地域にも火葬場の建設が増えるようになり、伝染病患者以外も火葬に付すケースが増え、火葬率が上昇しだした、ということです。伝染病がきっかけ、ということもあり、土葬は衛生的に難があるという考え方が広まったのかもしれません。

衛生面からの住民への配慮は、地方行政に強く求められることでもあります。「墓地、埋葬等に関する法律」では禁止していない土葬ですが、埋火葬には市町村長の許可が必要と定められています。つまり条例で禁止されてしまえば当然許可がおりませんので、土葬することはできなくなります。全国的に土葬を条例で禁じている自治体の数はかなりの数になります。さらに、条例で禁じていなくても、土葬を受け入れる墓地、霊園がなければ市町村長は許可を出せません。先に書いた、奈良や和歌山などで伝統的な土葬の慣習が残っている地域は、土葬ができる墓地があり、その慣習を自治体が認めて許可を出している、ということになります。それ以外に、一般的な遺体の土葬受け入れをしてくれる墓地や霊園は数えるくらいです。

 

これまで、家族、親族を火葬で葬ってきた人が、改めて土葬を選択するというのは考えにくいのですが、どうしても自分は土葬に付してほしい、という人がいたら、土葬を受け入れてくれる墓地や霊園を探して、そこでの埋葬許可を受けられるかどうか調べてみることです。