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お盆を知ろう!

記事公開日:2017.06.20/最終更新日:2020.03.17

 日本の夏の一大行事ともいえる「お盆」。誰しも、ものごごろがついたときから身近な存在で、意識して考えたことがないのでは。日本ならではの文化ですから、基礎的なことはきちんとおさえておきましょう

お盆の由来

 仏教に「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といわれる行事があります。旧暦の7月15日を中心に7月13日から7月16日までの4日間に行われ、父母や先祖の霊を供養したり、親族以外でも故人を偲ぶ行事で、中国の南北朝の時代(西暦500年代)に梁という国ではじめに行われたという説が一般的のようです。日本にもさほどときをおかずに伝来し、600年代、700年代には宮中の公式行事として「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が開催されたという文献も残っています。この仏教行事が、古から日本で行われていた先祖の霊を祀る行事と合体した民間行事として現在の「お盆」の形になり、広く民衆に定着していったというのが一般的な説です。

お盆をする日は

 そもそもは盂蘭盆会同様に旧暦の7月13日から16日の間に行われていました。明治6年の新暦採用にあわせて、地域ごとに大きく3つの期間に分かれて行われています。

  • 新暦の8月13日から16日 ほぼ全国的な期間です
  • 新暦の7月13日から16日 函館市、東京都、横浜市、静岡市、栃木市、金沢市などの一部
  • 旧暦の7月13日から16日(2017年の新暦でいうと、9月3日から9月6日) 沖縄、奄美地方など

これ以外にも、新暦の8月1日をお盆(中日)とする地方もあります。同じ市内であっても、お盆の期間は共通ではなく、ある町は新暦①だけど、この町は新暦②ということもあります。かなり地域性が分かれている行事なんですね。

 

お盆ですること

 何をするかも地域によって相当違いがあります。ここでは違いがある中でも共通で行われているものを取り上げます。

迎え火

13日の夕方に、ご先祖さまなどの神霊を家に迎え入れるために、麻の茎や白樺の皮に火をつけます。火を炊く場所やタイミングは地域によってさまざまです。最近では火災を避けるために、提灯に火を灯すことで迎え火としているケースも増えているようです。また、元来は夕刻でしたが、お墓が遠隔地にあるため、午前中からお墓で迎え火を炊くケースも見受けられます。

祭壇へのお供えや装飾

祭壇にはご先祖さまの位牌を並べます。迎え入れた神霊をもてなすために、祭壇には料理や飲物を置き、灯籠や花で祭壇を飾ります。

送り火

神霊をお墓に返すために、16日夕方に迎え火同様に火を炊きます。送り火は京都の五山の送り火などが有名ですね。送り火を川へ流す慣習がある地域では、「灯篭流し」を行います。

盆踊り

16日の夜お寺の境内で踊りを踊る、夏のお祭りです。最近ではお寺の境内で行われることはまずなく、多くの人が集まる広場に櫓を組んで出店も多数出るイベントになっています。開催する日も16日とは限りませんね。

さまざまなスタイル

 前に記したように、地域によって地域のスタイルがあり、似ているようでも微妙に違ったりします。また、お盆は厳密に言うと仏教の行事ではありませんが、両者の関係はかなり濃厚になっているので、仏教の宗派によっても違いがあります。お盆は実家や生家に帰り、自分の家のお盆を過ごすことが良いのですが、たまには全国各地のお盆を経験してみるのも面白そうですね。