2019年5月に設立されたスタートアップ企業である、デジタルキーパー㈱(東京都千代田区、冨田志信社長)が提供する新サービスの試用期間(1ヶ月無料お試し)が年内延長というニュースに目がとまりました。
デジタルデバイスを複数所有し、いくつものアカウントとパスワードで運用している現代において、デジタル終活の重要性は多くの記事にもなっていますし、必要性は多くの人が理解しているでしょう。しかし、実際には手をつける人はまだ少ないのが現状です。どんなサービスなのか、利用するハードルは高いのか、低いのか、気になって調べてみました。
預かるのは、承継する人の情報と、情報が保管されている場所
まず簡単にサービスの仕組みをご案内します。このサービスは、ログイン情報そのものを預かるのではなく、ログイン情報が保管されている場所(パソコンやスマートフォン、タブレットなど)の情報と、アカウントやパスワードなどが記録されたファイルのセキュリティ情報(パスワードなど)を同社が預かるというサービスです。ログイン情報そのものだと少し不安を覚えますが、この方式ならかなり安心ですね。そして同時に、デジタル遺産を承継させる人、つまり奥さまとかお子さんなどの連絡先(メールアドレス)も併せて同社に委ねます。ログイン情報をファイルで管理していない人には、セキュリティをかけて保管する方法までレクチャーしてくれるようです。
9回連続で安否確認に反応しないとメールが送信される
利用料は月額429円とリーズナブル。明日もしかしたら事故に遭遇するかもしれない、ということを考えたときの保険として捉えると決して高額ではないと思いました。会員になると、週に3回安否を尋ねるメールが届きます。メールを受信したら健在であることを伝えます。そして9回連続で、つまり3週間ですね、会員から反応がなかった場合に、指定された承継者に対して、会員の意思でデジタル情報の保管場所とファイルのパスワードを預かっていることと、それぞれの情報のメールが送られる、というものです。
実にシンプルです。コロンブスの卵的な発想だと感心しました。費用面でも、仕組みも、そしてセキュリティ面からもハードルが実に低い。ファウンダーである冨田社長は、旅行会社を定年退職後に同社を立ち上げたのだそうです。在職中からログイン情報を安全に預けられるところがなかったので、自ら始めたのだとか。そんなとこにも、共感を覚えてしまいました。