葬儀にはまとまった費用が掛かりますが、そのお金は自分で用意しておきたいと考えている方は多いでしょう。
葬儀費用は保険を使って賄うことが可能です。
葬儀費用に使える保険には、生命保険のほかに葬儀保険があります。
葬儀保険は、1年更新の掛け捨て保険で、年齢や病歴に関わらず加入が可能で月々1000円程度の保険料を支払うだけなので、高齢者でも負担なく加入できます。
ただし、生命保険の保険金は非課税ですが、葬儀保険の保険金には税金がかかります。
また、葬儀保険を扱う事業者が万が一破綻した場合には、加入者保護の制度がありません。
安定した経営基盤がある企業が提供する葬儀保険を選ぶ必要があります。
互助会に加入をお考えであれば、「ごじょスケ」でお住まいに近い互助会の資料を簡単に取り寄せることができます。
目次
葬儀費用を保険で賄えるか?
葬儀にはまとまった金額のお金がかかります。
残された自分の家族に負担をかけるのは忍びないという方は、保険によって葬儀費用を賄うことができますので確認しておきましょう。
葬儀費用に使える保険の種類
葬儀費用に使える保険としては、下記の3種類の生命保険と葬儀保険があります。
- 定期保険
- 養老保険
- 終身保険
これらの生命保険に加入し、家族を受取人にしておけば、死亡後受取人が請求することですぐに保険金を受け取ることができます。
ただし、事前の審査があり、持病がある人は加入できない場合があることや、保険料が高額になるため、人によっては払いきれない可能性もあります。
そういった場合には、後述する葬儀保険に加入することを検討してみるとよいでしょう。
保険に似た互助会の仕組み
互助会とは、毎月数千円の積み立てを5年~10年の長期間に渡って続けることで、冠婚葬祭にかかる費用に備えておく仕組みです。
葬儀プランが会員価格で割引になり、互助会が保有する式場が安く利用できます。
また、葬儀にかかる飲食や返礼品も、互助会の関連企業が提供する割引サービスで利用できるといったメリットがあります。
この他にも、会員向けの特典が用意されているケースもあるので、興味があれば資料を集めて検討してみることをおすすめします。
葬儀にかかる費用とは
かつては葬儀にかかる費用は高いというイメージがありましたが、近年では小規模な葬儀が主流となり低価格化が進んでいます。
鎌倉新書が行っている「第5回(2022年)お葬式に関する全国調査」によると、葬儀費用の全国平均額は「約110.7万円」でした。
これには葬儀の基本料金、飲食代、返礼品の費用が含まれています。
この他に宗教者への謝礼を支払います。
葬儀費用は、葬儀の形態によって違いがあります。
葬儀形態ごとの平均的な葬儀費用を確認しておきましょう。
葬儀費用については、こちらの記事にも詳しくまとめています。
⇒ ご参照ください。
一般葬
一般葬とは、通夜・葬儀・告別式を2日で行い、家族や親せきのほか友人や会社関係者など幅広く参列する形態の葬儀です。
一般葬の基本料金の全国平均は「83.9万円」でした。
近年では新型コロナの影響もあり、多くの人が集まる葬儀が敬遠される傾向があります。
2000年ごろまでは葬儀形態としては一般葬が一番多かったのですが、その後は次第に低下し、現在では2位となっています。
家族葬
家族葬は、一般葬と同様に通夜・葬儀・告別式を2日で行いますが、参列者は家族や近親者など関係の深い人だけで執り行われる形式です。
家族葬の基本料金の全国平均は「67.3万円」で、一般葬よりも小規模になるため、費用は抑えられます。
2022年は半数を超える人が家族葬を選び、葬儀形態の中でも1位となっています。
一日葬
一日葬は、通夜と告別式の2日間の葬儀を、通夜を省いて1日で行う形態です。
一日葬の基本料金の全国平均は「52.8万円」です。
通夜を行わないため費用が抑えられています。
新しい葬儀形式ですが、参列者の負担が少ないこともあって、利用する人が増えています。
直葬
直葬とは、通夜・告別式といった宗教的な式典を行わず、火葬場にそのまま搬送して送り出す方式です。
宗教的な式典の代わりに、火葬するところに宗教者に来てもらって読経をして送り出すことがあります。
直葬の全国平均の費用は「42.2万円」です。
簡素な形態であるため、費用は抑えられています。
葬儀保険とは
葬儀保険とは、葬儀にかかる費用に備えることができる保険です。
葬儀保険に加入しておくことで、死亡の際には速やかに保険金を受け取れ、葬儀費用を賄えます。
葬儀代だけでなく、仏壇やお墓などの費用としても使えます。
葬儀保険は少額短期保険
葬儀保険は生命保険とは異なり、少額で保健期間が短い保険として2006年4月1日から始まった「少額短期保険」のひとつです。
葬儀保険は少額短期保険であるため、下記のような制限があります。
- 保険期間は1年あるいは2年
- 死亡保険金額は被保険者1人につき300万円以下
- 保険の保険金額の総額は最大でも被保険者1人1,000万円まで
葬儀保険の種類
葬儀保険には「保険金定額タイプ」と「保険料一定タイプ」の2種類があります。
1.保険金定額タイプ
保険料は年齢に応じて上がっていきますが、受け取る保険金額は変わらないタイプの葬儀保険です。
2.保険料一定タイプ
保険料は年齢が上がっても変わらずそのままですが、受け取る保険金額は年齢が上がるにしたがって少なくなるタイプの葬儀保険です。
葬儀保険のメリット
葬儀保険には下記のようなメリットがあります。
- 保険料が割安
- 保険金が速やかに支払われる
- 高齢の方で加入できる
- 葬儀以外にも使える
それぞれ確認していきましょう。
保険料が割安
葬儀保険は葬儀にかかる費用を補う目的であり、高額な保険金が掛かっているものではないので、保険料は割安に設定されています。
保険料は「月々1000円程度」なので、高齢者でも負担なく支払いができます。
保険金が速やかに支払われる
通常の生命保険の場合、保険金の受取人が請求書類を送付後、保険会社に到着してから審査や手続きのため「5日程度」を要するのが一般的です。
葬儀保険での場合は、書類に不備がなければ、書類が到着すると原則翌営業日には保険料が支払われます。
亡くなった方の銀行口座は、相続が決まるまで凍結されることがあり、葬儀費用をその口座から引き出して支払うことができなくなる可能性があります。
葬儀が行われるとまとまった金額の支払いが必要になるため、保険金が速やかに入金されると非常に助かります。
高齢の方でも加入できる
一般の生命保険に60歳を過ぎてから加入しようとすると、持病の有無や健康診断の結果を提出する必要があり、場合によっては加入できないことがあります。
また、加入できたとしても保険料が高額になることが多く、大きな負担になります。
葬儀保険は、保険金が300万円までであるため、事前審査は緩くなっており、高齢の方や病歴がある方でも加入できます。
月々の保険料も1000円程度と安く、89歳まで加入でき99歳までの保障があることから高齢者でも入りやすい保険です。
葬儀以外にも使える
プラン内容にもよりますが、葬儀保険の保険金は、葬儀費用以外にも、お墓の購入費、宗教者へのお布施、年忌法要にかかる費用などにも使えることが多いです。
葬儀保険のデメリット
葬儀保険のデメリットとしては、下記のようなことがあります。
- 解約返戻金がない
- 元本割れする可能性がある
事前にチェックしておきましょう。
解約返戻金がない
生命保険では、満期になった時に返戻金があったり、途中で解約した場合に解約返戻金があったりします。
葬儀保険は1年更新の掛け捨ての保険ですので、途中で解約しても解約返戻金はありません。
元本割れする可能性がある
葬儀保険に加入する期間が長いと、掛け捨てタイプの保険なので、支払った保険料が受け取る保険金額を上回る、といったように元本割れしてしまう可能性があります。
葬儀保険は、どちらかというと高齢になってから加入することがおすすめです。
葬儀保険の選び方
葬儀保険を選ぶ際にはどうやって選べばいいのか、「選ぶ際のポイント」を紹介します。
補償内容から考える
葬儀保険は、商品プランによって補償内容が異なります。
お墓の購入や入院費にも充当できるもの、葬儀だけのもの、葬儀の形式まで決められているものなどさまざまです。
価格だけで決定するのではなく、補償内容にどういったものが含まれているのか確認して検討するようにしましょう。
安定している会社を選ぶ
生命保険など一般の保険を扱う事業者が破綻した場合には、加入者を保護するために「保険契約者保護機構」によるセーフティーネットの制度があり、保険金の支払いを保証しています。
しかし、少額短期保険を扱う事業者はこの制度の対象外となっているため、万が一の場合には加入者は保護されません。
加入する場合は、経営基盤がしっかりした安定している企業を選ぶようにしましょう。
葬儀保険の注意点
葬儀保険に加入する際には「注意すべき点」がいくつかあります。
事前にチェックしておきましょう。
葬儀保険は課税対象
生命保険で受け取った保険金については、相続税に関する非課税枠に当てはまるため税金がかかりません。
しかし、葬儀保険の保険金は対象外ですので、受け取った保険金には税金がかかります。
保険金が支払われる期間を確認
葬儀保険は加入してすぐには、保険金が受け取れません。
契約して一定の期間は、万が一亡くなった場合にも保険金は出ません。
この期間は事業会社によってさまざまですが、加入日から3か月となっているケースが多いようです。
【葬儀費用は保険で賄える?】葬儀の費用に備える方法と注意点を解説 まとめ
ここまで、葬儀費用を保険で賄うことについてご紹介しました。
生命保険で葬儀費用を支払うこともが可能ですが、高齢になってから新たに加入する場合には、年齢や病歴にもかかわらず加入しやすくい葬儀保険が負担なく利用しやすいでしょう。
加入する場合には、保険契約者保護機構の対象外となることから、経営基盤がしっかりしたところを選びましょう。
保険と似た仕組みの互助会も、会員になって将来の冠婚葬祭にかかる費用に備えることができます。
その他、会員特典としてさまざまな割引サービスが用意されているところが多いので、一度検討してみることをおすすめします。
互助会に加入をお考えであれば、「ごじょスケ」でお住まいに近い互助会の資料を簡単に取り寄せることができます。