終活Style ごじょクル

冠婚葬祭に関する豆知識など、
様々なお役立ち情報をお届けします。

powered by ごじょクル
  • Facebook
  • Twitter

お葬式をしないとどうなる?

2016年07月23日

「人が亡くなったらお葬式」というのが社会通念上は常識となっていますが、お葬式は必ずしなければいけないものなのでしょうか?

実は、何か法律や規則で定められているわけではないので、お葬式をしないという選択をすることは自由なのです。実際に最近では、お葬式をしないというケースが増えてきている、ということを耳にします。今回は、お葬式をしないということはどういうことなのか考えてみましょう。

 

なぜお葬式をあげないのか

なぜお葬式をあげないのか、いくつかその理由をあげてみましょう。お葬式はとても宗教色が強い儀式です。ところが、現代の日本人は信仰する特定の宗教を持たない無宗教の人が多くなっています。日常で宗教と関わりのある生活を送っていない人が、信仰していない宗教のお祈りをあげてもらっても有り難みも感じることはできないし、その必然性に疑問を感じられている、ということが理由のひとつとしてあげられます。

他には、お葬式には多額の費用がかかる、それもどこか不透明で胡散臭い、と感じられているから、というのも理由のひとつでしょう。あと、もうひとつ、参列者側としていくつかのお葬式に出席してみて、あまりにも形式的、儀礼的すぎて、故人を心から見送っているように見えないから、という理由もあるかもしれません。

お葬式、つまりお通夜、葬儀式、告別式といった儀式をしない場合は、火葬場での火葬・拾骨だけで故人を見送る直葬といわれる方法をとることになります。近年は首都圏を中心に、増加傾向にあるようですが、その理由は、独居老人の孤独死の増加という社会的な要因もあるようです。

直葬は、一連の儀式を行わないので、費用は格段に少なく済みます。これだけを聞くと、「お金がかからないのが一番」とお葬式をしない、という選択をしそうになりますが、お葬式がもつ意味を考えてみると、そう簡単ではないことがわかります。

 

お葬式の主体は誰なのか

故人を弔うのだから主体は故人その人だ、という意見もあるかもしれません。しかし、お葬式は、遺族や親族、知人、友人が故人にお別れを言う場なのです。また、故人が亡くなって悲しみにくれている、そして故人がいなくなった生活に不安と寂しさを抱えている遺族の皆さんを慰め、励ます場でもあるのです。

つまり、お葬式の主体は故人だけではなく遺族をはじめとしてすべての関係者だということがいえます。

こう考えると自分が亡くなったときに自分のお葬式をしないという選択を自分自身がすることは正しいのでしょうか。お金もかかるし家族の負担にもなるから、自分が死んだらお葬式はあげないでくれ、と遺言を遺すことはできます。その遺言に従って、お葬式をしない場合は、どのようなことになるのでしょうか。

 

お葬式をしないとどうなるのか

お葬式をしないと、親戚(特に年配の)から非難される、関係が悪くなるケースがあげられます。日常付き合いもない親戚から好き勝手言われたくない、ということはあるかもしれません。また、日常会っていないのだからお葬式に来てもらう必要もないと思われるかもしれません。

ただ、こんな見方をすることもできます。特に遠方の親戚だったりすれば、普段は会うこともままなりませんが、お葬式であれば遠方からでも訪れてくれます。また、お葬式は従兄弟や再従姉妹、叔父・伯父や叔母・伯母など、昔は付き合いがあっても最近では縁遠くなってしまった人たちと家族が再開することができる場でもあるのです。お葬式をしないことは、そんな折角の場を逸してしまうことになりかねません。

また、遺された家族にとってみると、これからの生活の中で、関係性の薄くなった親戚の力を借りる場面が全く無いとは言い切れません。家族のことを考えてみても、親戚との関係を悪くするような判断は、あまりお薦めできません。

お葬式は、故人と関係のあった人が一同に会して、故人を見送る場です。つまり、お葬式に参列することで、その場で故人へのお別れを、お礼や感謝の気持ちとともにすることができます。もし、お葬式がなかったとすると、故人にお別れを言いたい人は、自宅か、あるいはお墓にお参りに訪れるしか術がありません。お墓の場所が分かっていれば別ですが、いずれの場合も家族はその対応をする必要があるので、もしも五月雨式に多くの人が訪れることになると家族の負担はかえって増えることになりかねません。

「そんな人はいないし、いても僅かだよ」とお思いになる方もいるかもしれませんが、他人の自分に対する気持ちは推し量ることは難しいと思います。そして、そんな気持ちを自分に対して抱いている人の想いを無にすることは、大変失礼になります。

 

主体者としての遺族の判断

故人は遺言を遺さなかったけれども、遺された家族が、形式的、儀礼的な儀式を嫌って直葬にする、または費用負担を少なくしたいから直葬にする、という判断をすることもありえます。最近では、直葬まで極端ではありませんが、家族を含めたごく親しい人だけで行う家族葬も増えています。この場合も、先ほど述べたように、親戚との関係性、故人の関係者の想いは十分に考慮してほしいと思います。

とくに家族は、故人の家庭外での関係すべてを知っているとは限りません。もしも、故人を弔いたいという人がいれば、すべて自宅にお迎えするというお考えであれば別ですが、その人たちに弔う場を設けてあげるのも遺族のつとめだと思います。

お葬式は、確かに費用もかかりますし、家族の負担は少なくありません。しかし、お葬式がもつ、故人に縁ある人が故人にお別れをいうことができる場、遺された遺族を慰め、励ます場であるという意味をよく考えて、お葬式をする、しないの判断しましょう。