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墓石を選ぶ前に知っておきたいこと

記事公開日:2016.12.02/最終更新日:2023.05.16

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墓石とは、お墓のしるしとして建てられる、石で造られた碑のことです。現在では墓石をさしてお墓と一般的に称されています。

ほとんどの墓石は石材店に依頼をして建ててもらうことになります。最近はインターネットで墓石を取り扱う会社も出てきていますが、墓石は消費財の中ではもっとも縁遠いと考えられているものの一つではないでしょうか。価格は高価ですし、数多くある種類の違いを分かる人は少ないでしょう。

ここでは、墓石の入門編として、石にはどのような種類があるのか、形にはどのようなものがあるのか、選ぶときに気をつけることがあるのか、について考えてみましょう。

 

石の種類

墓石に求められるのは、故人を永代にわたり供養するものですから、耐久性が重要だといわれています。

しかし耐久性が高い石ということは、それだけ硬度が高く、また吸水性が低い石のため、加工性は低くなります。昔は手で石を加工し、手彫りで文字を彫っていたため加工しやすい大理石や石灰石も多く使用されていました。しかし、これらの石は酸に弱く、長い年月を経ることで碑文が読み取れなくなってしまいます。現在では、石の加工が機械化されていますので、硬い石でも加工しやすくなってきています。

墓石として、最も一般的な石は花崗岩です。石材としての呼称は御影石(みかげいし)です。きっとお耳にされたことがあるのではないでしょうか。「御影」は兵庫県神戸市にある地名(現在の東灘区御影石町)に由来し、御影の北の六甲山から花崗岩が採掘されたことがその名前のルーツとなっています。

御影だけでなく、火山国である日本には、良質の花崗岩の産地が多数あります。花崗岩の成分は、石英、カリ長石、斜長石、黒雲母、白雲母、普通角閃石などで、磁鉄鉱、柘榴石、ジルコン、燐灰石、輝石などを含む場合もあります。産地(というか火山ですね)によって、含まれる成分の種類や割合が異なるため、同じ花崗岩であっても産地ごとに大きく異なります。

また最近では、低価格の墓石を提供するために、海外から輸入された花崗岩も墓石に使用されるケースが増えているようです。現在では、国産、輸入合わせると300種類以上の花崗岩が石材として使用されています。

国産と外国産の花崗岩の中からいくつかご紹介しましょう。代表例という訳ではありません、あくまでも筆者の独断と偏見による選択ですので、お含みおきください。

 

国産の花崗岩

庵治石(あじいし)

香川県牟礼町と庵治町周辺の山で採掘される、白灰色の花崗岩です。国産御影石の最高峰と称され、海外からも高い評価を得ているようです。

 

大島石

愛媛県大島で採掘される、緑に近い青みを帯びた花崗岩です。耐久性が強いことが特長で「100年品質の青色御影石」などと称される最高級品です。

 

議院石

広島県呉市倉橋島町納地区で採掘される花崗岩です。国会議事堂の外装にも使用されていて、時間の経過とともに赤みが増していくという珍しい石です。

 

牛岩青石(うしいわあおいし)

愛知県岡崎市箱柳町で採掘される御影石です。美しい光沢と深い青みが特長で、採掘量は少なく希少なため最高級品として位置づけられています。

 

万成石

岡山県岡山市北区の万成・矢坂地域で採掘される、ピンク色の花崗岩です。「桜みかげ」とも呼ばれ、むこう50年間は安定供給が可能といわれています。

 

稲田石

茨城県笠間市稲田付近で採掘される、白い御影石です。採石量は日本一で、大きなものの加工にも対応できるという特長があります。

 

真壁石

茨城県西部の常陸3山(筑波山・加波山・足尾山)の懐で採掘される花崗岩です。色は白っぽいグレーですが、石目が優しいと評されていて、高級品として人気の石材です。

これ以外に、福岡県産で濃い青系の「内垣石」、新潟県産で赤と青2色の色調をもつ」草水みかげ」、福島県産で白御影石の「芝山石」、神奈川県産で灰色がかった茶色の「根府川石」、茨城県産で青くてキメが細い「羽黒青糠目」などもあります。

 

外国産の花崗岩

中国産の黒い花崗岩の代表といわれる「山西黒」、インド産の白い花崗岩で「アーバングレー」、赤系の花崗岩ではアメリカ産の「ダコタマホガニー」インド産の「ニューインペリアル」、グレー系ではインド産の「ベルガムグレー」に「銀河」、緑・青系は中国産の「万年青」に「深海」などがあります。

花崗岩以外では、安山岩も墓石の材料として使用されています。

 

墓石のデザイン

大きくは和風と洋風に分けられます。和風(和型)は、土台の上に縦長の石塔が建つというもの。洋風(洋型)は、横長で土台の上に石塔というよりも石版が配置されるものです。

現在では、和風と洋風の比率は約6対4で洋風の墓石が多くなっているようです。機械で加工できるとはいえ、硬い石を加工するわけですから、あまり特殊なデザインを求めるのは難しいと思います。また、お墓ですから奇をてらわずに、一般的なデザインが好まれています。

 

墓石の選び方

墓石の色は、関東は白系を好み、関西は地青系を好むというように地域によって好みが分かれているようです。

以前は、黒系、赤系は縁起が悪いとされていたようですが、「最近ではあまり気にされなくなってきている」という話も耳にします。色に関しては、地域ごとの個性というか特性に沿った選択をするのが無難かもしれませんね。目立てば良い、というものではありませんので。また、石やデザインを選ぶ際には、石は経年で変化していくものである素材であることを理解して、その石がどのような特長をもっているのか石材店によく聞くことが重要だと思います。また、建てられてから年月を経ている石材を実際に確認する、という方法もありますね。

そして、なんといっても一番は価格かもしれません。高価なものですから、できるだけ多くの情報を集めて、納得のいく墓石を選ぶようにしましょう。