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広がるか?自治体の終活サポート

2018年04月26日

2015年ころから自治体による終活サポートサービスが登場し始めています。今日はサービス導入の背景とサービス内容、これから広がりをみせていくのかを考えてみましょう。

神奈川県横須賀市が先駆

2015年7月に「エンディングサポート事業」をスタートした横須賀市が先駆事例だと思われます。横須賀市と市内の葬儀社とのアライアンスによるサービスで、主な対象者は経済的に余裕のない一人暮らしの高齢者です。その内容は、高齢者は契約すると生前に葬儀社を選択することができ、宗教や寺社の指定も含めたお葬式の方法、納骨先、自分の死を伝えてほしい遺族などの希望を登録することができるというものです。さらに、生前は市と葬儀社が連携して訪問することで孤独死を防ぐとともに、要介護状態となることの発見に努め、死後は市が納骨までを見届けるというサービスです。

横須賀市の導入背景

横須賀市は、この10年間で増えてきた無縁遺骨を問題視していました。遺族が分からないため預貯金を引き出すこともできず、市が公費で火葬を行い無縁納骨堂に納めてきました。ある時、孤独死を迎えた高齢者が『自分の最後の預金で(無縁でも)仏にしてほしい』と記した遺書が発見されたこともあり、一人暮らしで身寄りのない高齢者(市民)の生前意思を聞くべきだという機運が高まり、議員政策提案の結果3年がかりで実現したということです。ちなみに、経済的に余裕がない一人暮らし高齢者以外にも、癌の余命宣告を受けた人、重度の知的障害者を子どもに持つ親、生涯未婚で子どものいない人などにも柔軟に対応するそうです。

課題を抱えるのは横須賀市だけではない

同様の課題は全国の自治体が抱えています。自治体にとれば、孤独死を迎える高齢者が増えるほど行財政への負担が増えることになるという問題もありますが、筆者は市民をきちんと供養したいという行政サービスの意識が高まっているのでは、と推察しています。

大和市と千葉市も展開

横須賀市のこの事業は、全国の自治体からの視察が相次いだというように注目を集めました。全国で導入が検討され、神奈川県では大和市が2016年に横須賀市と同様の事業を開始しています。また、千葉市は2018年からイオンライフと連携して、お葬式だけでなく相続の準備まで含めた相談サービスを開始しました。千葉市の事業は、高齢者だけでなく終活を考える人全般に対して範囲を広げたサービスのようです。

広がるためには広報が鍵

一人暮らし高齢者は情報弱者でもあります。そのため、事業化されているサービスを知らずに孤独死を迎えてしまうというケースが横須賀市でも見受けられるようです。いかにして知らしめられるかが重要なポイントですね。横須賀市では、ミニ集会の開催、口コミ流布等による周知を展開しているようですが、今後は葬儀社だけでなくIT企業との連携も必要になるのではと筆者は考えます。高齢者を情報弱者から脱却させるアイディアが求められますね。多死社会を迎えつつある日本ですから、行政と民間の知恵を融合することで、一人でも多くの高齢者がきちんと弔ってもらえる環境が整ってほしいものです。

エンディングノート配布は増えている

横須賀市、大和市、千葉市のように事業化まで踏み込んでいませんが、行政サービスとしてエンディングノートを配布する自治体は増えているようです。孤独死を迎えた高齢者を発見したときに、エンディングノートが記されていれば、身寄りや埋葬方法の希望等を知ることができる、というのがサービスを展開している理由です。事業化には、予算面と、協力してくれる民間事業者の有無というハードルがあるので、クリアすることが難しい自治体向けのサービスといえそうですね。

東京都狛江市、神奈川県厚木市、埼玉県鶴ヶ島市、埼玉県北本市、愛知県豊川市、滋賀県守山市、大阪府堺市南区などが配布しています。