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ホームロイヤー制度で弁護士が身近な存在に

記事公開日:2018.06.26/最終更新日:2023.04.19

「ホームロイヤー」という言葉を聞いたことはあると思います。文字通り、家庭の顧問弁護士なのですが、弁護士の顧問料は高額という認識もあり、決して身近な存在ではありませんでした。しかし高齢化社会の到来とともに、高齢者に寄り添う弁護士の存在が求められるようになってきました。このような社会ニーズに応えて第二東京弁護士会では、「ホームロイヤー制度」という取り組みを会として始めています。

以前から高齢者、障がい者に対する取り組みが積極的

東京都の弁護士会には、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会と3つの会が存在します。ちなみにですが、3つの会に序列はありません。知らない人は、駆け出しの弁護士が第二に入り、経験を積んで第一に、さらに実績をあげると東京弁護士会、と思っているかもしれませんが、全く別の組織ですのでお間違えなきよう。

それぞれの会には独自の風土がありますが、中でも第二東京弁護士会は、新しい取り組みを好む会のようです。高齢者や障がい者に対するサポートにも積極的で、20年前から「ゆとり~な」という高齢者、障がい者専門の支援センターを開設し、活動を進めていました。

第二東京弁護士会のホームロイヤー制度とは

新たにスタートした「ホームロイヤー制度」は、「ゆとり~な」の中の取り組みの1つという位置づけです。

将来の生活や財産管理に不安を持つ高齢者、障がい者、その家族が対象となり、依頼者の希望に応じて①見守り契約、②財産管理契約、③任意後見契約の3つのメニューが用意されています。特に①の見守り契約の費用は、月額5,000円と10,000円の2つの料金コースになっており、一般的な弁護士報酬と比べるとかなりリーズナブルな設定です。そのサービス内容は、1ないし2カ月に1回の安否確認、1ないし2カ月に1回の法律相談、入院時など緊急時の医療機関への支払い代行が含まれています。

 

国家資格者である弁護士を身近にしてみては

終活がブームです。時流にのって世間には終活カウンセラー、相続診断士、遺言執行士などのさまざまな資格が誕生しています。しかしこれらの資格はすべて民間資格であるため、法的な行為をすることは認められていません。また、彼らの発言は法的な根拠とはなりえません。その点弁護士は、まさに法律のオールマイティーというべき存在で、頼ることができるとしたら最高の存在でしょう。これまで私たち個人にとっては、敷居の高かった弁護士事務所が、身近な存在になりえるかもしれませんね。

第二東京弁護士会以外でも、「ホームロイヤー制度」を謳っている個別の弁護士事務所のホームページを見つけることができました。これからの社会情勢を考えると、この第二東京弁護士会の動きは、全国の弁護士会、弁護士に広がっていくのではないかと思います。期待したいですね。