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飼い主が亡くなったら、ペットはどうなるの?

2016年02月09日

子供よりもペットの数が多くなって久しい、ペット大国の日本。今はまだペットを飼っていなくても、検討中の人や、将来的には飼いたいと考えている人も少なくないでしょう。ペットを飼うからには、最期まで責任をもって世話をするのはもちろんのこと。しかし反対に、飼い主が先に亡くなった場合、残されたペットはどうなるのでしょうか? 今回は飼い主の死後もペットが幸せに暮らせるための方法をご提案します。

 

「もしも」の時に備えて、ペットのためにできること

ペットの健康を考えたペットフードやペットのための医療保険など、日頃からペットの健康管理に気を配っている飼い主は大勢いることでしょう。一昔前に比べて犬や猫の平均寿命は伸び、日本ペットフード協会のデータによると、犬は14.2歳、猫は15歳(平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査結果より)。犬種や猫種などにもよりますが、20~25年と長生きするペットもいます。

 

自分自身とペットの年齢を考えて、もしも自分が先に亡くなったら? 

代わりに面倒を見てくれる家族や親戚、知人がすでにいれば問題ないでしょう。しかし、もしも引き取り手が見つからない場合、かわいそうなことにペットは殺処分されてしまうケースもあります。そんな最悪の事態を防ぐために、もしもの時に備えて何ができるのか、何をしておくべきなのでしょうか。

ペットの老後を見据えて資金を蓄えておくことはできますが、日本の法律ではペットは残念ながら「物」の扱いになってしまうため、ペットが遺産を相続することはできません。一方で、信頼してペットを任せられる人も必要です。この点を考慮し、準備する方法としては、以下の3つが挙げられます。

 

  • 負担付遺贈
  • 死因贈与・生前贈与
  • ペットの信託サービス

 

それでは一つずつ解説していきましょう。

 

負担付遺贈と死因贈与・生前贈与の違いは?

負担付遺贈とは、遺言により受遺者(財産をもらう人)が「財産を受け取る代わりに、一定の義務を負担する」こと。飼い主(遺贈者)はペットの世話をしてほしい人を選び、「財産を贈るからペットの世話をしてください」という内容の遺言書を作成します。しかしこれだけでは、あくまでも飼い主の遺言による一方的な希望であり、指名された人は拒否することが可能です。そのため、ペットを引き取って世話をしてもらえるかどうか、事前に合意を取り付けておく必要があります。

一方、死因贈与・生前贈与は、贈与者と受贈者が双方合意の下で結ぶ契約です。したがって「財産を贈るからペットの世話をしてください」という飼い主の希望が拒否されることはありません。ちなみに死因贈与の場合は飼い主の死後に、生前贈与は飼い主の生前に効力が発生します。万が一、飼い主が病などを理由にペットを手放さなければならなくなった時は、生前贈与を選択するとよいでしょう。

 

ペットのための信託サービスとは?

3つめの方法は、生前整理の一環として近年注目を集めている「ペット信託」。これはペットに残したい財産を一般の財産と切り分けることを目的としています。

 

一般的な流れは……

  1. 管理会社にペットのために残す財産(飼育費、保険料、老犬ホーム代など)を移す
  2. 飼い主を代表とする管理会社を設立する
  3. 新しい飼い主(里親)を受益者とした遺言書を作成し、管理会社に移した財産がペットのために使われるように受益者と信託契約書を結ぶ
  4. 信託契約が守られているかの見守り管理を行なう「信託管理人(弁護士、行政書士)」を設定する
  5. 飼い主の死後(または介護施設に入居するなど、飼い主がペットを手放さなければならなくなった時)、受益者がペットの飼育費として財産を相続する
  6. 飼育費が適切に使われているかを信託管理人が見守り管理する

 

 会社を設立するというと大事のようですが、管理会社の設立・運営や里親探しなどをサポート・代行してくれる専門業者もあります。また、飼い主が管理会社を設立するのではなく、信託会社と契約して一切を任せるという方法もあります。

ペット信託のメリットは、財産を管理会社に移す(信託会社に託す)ことで、相続人同士のトラブルを避けられるという点。ペットのために確実に財産を残すことができます。さらに信託管理人を設定でき、見守り管理をしてもらえるため、ペットの将来も安心。ペット信託は2013年から始まった新しい仕組みですが、今後も需要が増えていくものと見込まれています。

 

ペットと共に施設で老後を過ごす

飼い主にとってペットは癒やしや安らぎ、ハリを与えてくれる存在。ペットを子供のように、あるいは孫のようにかわいがりながら、老後を過ごしている高齢者が大勢います。一方で、高齢によって一人暮らしに不便を感じていても、ペットのために介護施設を利用せずに我慢しながら生活している人も。しかし無理がたたれば、飼い主にとってもペットにとっても不幸な結果になりかねません。実際、孤独死した老人の住まいに放置されてしまったペットが餓死して発見される、という悲しいニュースもありました。今はまだ若くて元気でも、誰もが老います。こういうニュースも決して人事ではありませんよね。

老後をどこで過ごすか、介護が必要になったときに誰に任せるかは、人によって事情や考えが異なるでしょう。ここで知っておいていただきたいのは、「介護施設に入りたい人が、ペットのために我慢する必要はなくなってきている」ということです。

一昔前まで介護施設はペットの立ち入りが禁じられていました。病院と同様、免疫力が低下している高齢者が集まる場所ですから、衛生面に気をつけるのは当然のことです。しかし時代に合わせて変化し、現在はアニマル・セラピーを取り入れている施設や、ペットといっしょに入居できる介護施設が増加傾向にあります。自宅にいたときと同じようにペットといっしょに過ごせたら、寂しくなく、ペットを案じて気に病むこともありませんね。

ただし、ペットの種類や大きさなど、施設によって条件はさまざま。他の入居者に迷惑が掛からないように、よく吠えるなど問題行動のあるペットは受け入れてもらえないことが多いようです。希望者は早めに電話や資料などで条件を確認し、必要ならしつけを見直しておきましょう。

 

さて、今回はペットのために飼い主ができること、しておくとよいことをお話しました。かけがえのない大切な家族だからこそ、もしもの時に備えて、ペットのこともきちんと考えておきたいですね。