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介護した「嫁」に特別寄与料請求権が(2019年7月1日から相続法が変わります)

2019年06月10日

相続法の大改正については2018年9月の記事で、変わる内容一部の概要をお伝えしましたが、いよいよ7月1日から多くの改正が実施されます。今回は、7月1日から新たに認められることになる「特別寄与料の請求権」について簡単にご説明しましょう。

特別寄与料って何?

 7月1日に施行されるのは、2018年9月の記事でもご紹介した遺産分割制度の見直しのほか、遺留分制度の見直しと相続の効力に関する見直し、そして特別寄与料請求権の新設です。配偶者居住権の保護(9月の記事でご紹介)は2020年4月1日からとなっています。

 では特別寄与料とは何かというと、相続人以外が被相続人に対して無償で介護を行っていた場合などに、その介護を行っていた相続人以外の者に介護に対する報酬に該当する金額を請求する権利を与えるというものです。分かりやすく言うと次のような場合ですね。

 これまでは義理の父(または母)の介護を務めていた子の嫁(あるいは孫の嫁)に対しては、遺産相続の中で権利が認められることは一切ありませんでした。そのために、嫁に一部でも遺産を譲るためには遺言書にその旨を記載する必要がありました。この制度の導入によって、介護をした嫁はその働きに対する対価として特別寄与料を全ての相続人に請求できることになります。親から離れたところに居住し、介護に一切手を貸さなかった子が遺産を相続できるのに、介護に尽くした嫁が何一つ相続できないのは不公平すぎるということからこの制度が導入されることになったのです。

請求することができるのは

 特別寄与料を請求することができる権利は、被相続人の相続人以外の親族となっています。民法において親族は、配偶者、6親等以内の血族、3親等以内の姻族とされています。誰が法定相続人となるかは、配偶者と直系の血族の中で誰が生きているのかにより変わってきますが、姻族である嫁は法定相続人にはなりえませんので、必ず該当することになります。そのほかの例としては、配偶者も子も生きているのに甥や姪あるいは孫が介護をしていた場合などには相続人以外でかつ6親等以内の血族ということから特別寄与料を請求する権利を持つことになります。

 介護をしていれば誰でもOKということではなく、全くの赤の他人がいくら無償で介護をしていたとしても請求権は発生しないことには注意が必要です。

もらえる金額はどれくらい

 特別寄与料としてどれくらいの額を受け取ることができるのか、目安となるような額が定められているわけではありません。介護を労務だったとして捉えて「介護した日数」×「日当」という計算方法になると思われます。また、介護をするにあたり支出したさまざまな費用も経費として請求することができると解釈されています。それらを全て含めて、特別寄与料として請求した後に実際に支払われる額は遺産分割協議の中で決めることになり、全相続人の同意を得てはじめて受け取ることができるようになります。権利として法律で認められたことは大きな進歩ですが、特別寄与料の発生によりほかの相続人は相続できる額が多少なりとも減額となるのですから、そこにトラブルが発生する可能性はあります。権利は権利としてその使い方には注意が必要かもしれないですね。

 

 請求する権利を使うには、その実態を証明しなければなりません。どれだけ介護をしていたのか、日数や頻度はもちろんその内容についての記録が必要となります。また支出した費用の明細、レシートや領収書なども整理しておきましょう。

 最後になりますが、支払われた特別寄与料は相続税の対象となりますので、これも念頭に置くようにしてください。