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「墓じまい」をした後も、なんらかの方法でお墓に埋葬する人が多数

記事公開日:2020.01.31/最終更新日:2023.05.01

2019年11月に、石材業界唯一の経済産業省公認団体である「全石協(全国石製品協同組合 東京都港区 加登隆三理事長)」と、お墓のカタログ通販を行なう「まごころ価格ドットコム(東京都中央区 遠藤克俊代表取締役社長)」が相次いて、「墓じまい」を行った人に対するアンケート調査の結果を公表しています。2つの調査結果は若干異なりますが、墓じまいを行った後も、遺骨をお墓に埋葬するという人が過半数を占める結果となっており、墓じまいイコールお墓を無くすことではない、という意識を持つ人が多数であることが分かりました。

調査概要

【全石協】

調査対象:全国の30歳以上の男女

調査方法:インターネット

サンプル数:109人

【まごころ価格ドットコム】

調査対象:全国の男女

調査方法:インターネット

サンプル数:200人

墓じまいの理由

全石協の調査では、『お墓の継承者がいない』がダントツの1位で62.8%となっています。一方でまごころ価格ドットコムの結果は『お墓が遠い』が1位の27.5%で『お墓の継承者がいない』は23.0%の次点となっています。この違いはサンプル数が少ないことが要因かもしれませんね。ただし、この2つが大きな理由であることは間違いないようです。なお、『子どもに迷惑かけたくない』という理由は、全石協では10.1%でしたが、まごころ価格ドットコムでは21.5%と継承者がいないに迫る結果でした。

墓じまい後の埋葬方法

この結果は双方ともに、『永代供養墓に埋葬』が1位、『新築したお墓に埋葬』が2位という結果となり、いずれも過半数を超える結果となっています。全石協の調査では、他のお墓への移転、納骨堂という回答選択肢もあり、それらを合計すると80%を超えています。まごころ価格ドットコムの調査には納骨堂という回答がありませんが、それも含むと考えられる『既にあるお墓に埋葬』を加えるとやはり80%を超えています。この結果から、墓じまいをしても、お墓を無くしてしまうことには抵抗がある日本人の意識が明らかになったといえるでしょう。散骨や手元供養という回答が少なかったのは、散骨は合法ではない(グレーゾーンです)こと、手元供養は実は墓じまいの後に手元供養にすることが事実上不可能だからだと思います。

墓じまいに要した期間、墓じまいで大変だったこと

まごころ価格ドットコムの調査では、別の項目の調査結果も公表されています。

Q 墓じまいのきっかけは

終活32.5% 身内の死28.0%

Q 墓じまいに要した期間は

半年以内78.0%

Q 墓じまいで大変だったこと

兄弟親族の意見調整26.0% お寺や石材店とのやりとり14.5%

自分のお墓をどうするかは、終活をきっかけに考える、気が付くことであることが分かります。確かに納得できる回答ですね。そして墓じまいの一番の障害は、身内やお寺であることも如実に読み取ることができますね。