終活という言葉が定着したことで、その手始めにエンディングノートを書く人が増えています。
自分の人生を振り返り、自分の終末や死後の対応についての希望をまとめて家族への想いを伝えるエンディングノートは、死後に残された家族にとって役に立つものです。
文具店や書店で市販のものが購入できるほか、無料で手に入るエンディングノートも多くあります。
無料のエンディングノートであっても、主な項目は用意されているのでそこに書き込んでいけば十分役に立つものとなります。
無料のエンディングノートには、「冊子版・ダウンロード版・アプリ版」の3つの形態があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
エンディングノートに多くのメリットがあるのはわかっていても、いざ書くとなると時間がかかります。
時間があるときにまとめて書けばいいと後回しにしておくと、次第に億劫になってしまいます。
書き方のルールは決まっておらず、後から書き直すのもOKなので、まずはどんどん書いていきましょう。
終活を始めようかと思い立ったら、まずは無料のエンディングノートを手に入れて、気軽に書き始めることからスタートするのがおすすめです。
目次
無料で入手できるエンディングノートとは
終活の一環としてエンディングノートを書く人が増えています。
無料で入手できるエンディングノートも各所で入手できますので、興味のある方は一度手にしてみるとよいでしょう。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、これまでの自分の人生を振り返り、これから進んでいこうとする道や、自分が死んだ後の対応を記したノートのことです。
エンディングノートをまとめることで、終活がスムーズに進みます。
また、残された家族への想いを伝えることもでき、家族にとっても死後の負担が軽減されるため、終活の一環としておすすめされています。
エンディングノートには、下記のような項目を書くのが一般的です。
- 自分のこと
- 財産のこと
- 医療、介護のこと
- 家族、親せきのこと
- 友人、知人、関係者のこと
- 葬儀、お墓のこと
- 相続のこと
- ペットのこと
- PCやスマホなどデジタルデータのこと など
無料で入手できるエンディングノートの種類
有料のエンディングノートは書店などで購入でき、値段は1,000円程度のものが多いです。
有料のものは、表紙がきれいで紙質もよく、記入しやすい工夫などがされています。
エンディングノートの形式に決まりはなく、自分で好きなように書いてOKです。
市販のノートにまとめて書いておく人もいるようです。
無料で入手できるエンディングノートには、「冊子として配布しているもの」、「データをダウンロードするもの」、「スマートフォンのアプリとして利用するもの」の3種類があります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、以下の項目では入手方法と併せて解説します。
冊子版の無料のエンディングノート
有料のエンディングノートのように冊子として製本されているエンディングノートは使いやすく整理しやすいですが、印刷代・紙代・製本代・輸送費などのコストがかかっているため、入手先は限られています。
入手方法
自治体の高齢者福祉の窓口や、地域包括支援センターなどで配布しているところがあります。
ただし、冊子版のエンディングノートを配布している自治体はそれほど多くありませんので、入手したい方は自分が住んでいる地域で冊子版のエンディングノートを配布しているかを確認する必要があります。
自治体のホームページで調べるか、役所の窓口に問い合わせてみてください。
自治体主催の講習会の参加者に配ることもあるようです。
その他、一部の葬儀社や高齢者向けサービスでは、資料請求すると冊子のエンディングノートを一緒に送付してくれるところがあります。
メリット、デメリット
冊子版のエンディングノートのメリットは、「入手してすぐに書き込めること」です。
書き入れる項目が印刷されているので、そこを埋めていくだけでエンディングノートが出来上がります。
製本されているので、片付けもしやすいです。
また、自治体が配布しているエンディングノートには、その自治体で提供している高齢者向けサービスや高齢者向けの施設などが詳しく記載されていることが多いので、非常に役に立ちます。
ただし、印刷代や紙代、製本代などのコストがかかっているため、ページ数は市販のものよりも少なくなります。
必要な項目はしっかり記載されているので、利用に問題はないでしょう。
また、コストがかかっていることで部数や受け取れる人が限定されている場合もあります。
事前に確認しておくとよいでしょう。
ダウンロード版の無料のエンディングノート
ダウンロード版の無料のエンディングノートは、提供する側のコストがほとんどかからないため、各所で提供されています。
入手方法
多くの自治体では、サイト上から無料でダウンロードできるエンディングノートのデータを掲載しています。
その自治体の住民でなくても自由にダウンロードして使えるケースがほとんどです。
自治体以外にも、社会福祉協議会や福祉企業のサイトでも掲載していることがあります。
また、葬儀社や高齢者向けサービスを提供している企業でも、資料請求者に独自のエンディングノートを無料でダウンロードできるようにしているところもあります。
メリット、デメリット
ダウンロード版のエンディングノートとメリットは、自宅のパソコンで手軽にダウンロードして使えることです。
冊子版を入手するために窓口まで行かなければなりませんが、ダウンロード版であればその場ですぐに入手できるので簡単です。
デメリットは、ダウンロードしたものを印刷して使いたい場合はプリンターと紙が必要になることです。
また、パソコン操作に慣れていない方にとっては、そうした作業が煩わしいと感じるかもしれません。
ダウンロード版のエンディングノートは、PDFファイル、Word、Excelで保存されているものが一般的です。
PDFは無償で利用できるソフトですが、書き込みができないため印刷して利用しなければなりません。
WordやExcelのファイルは、ダウンロードして開けば印刷しなくても使えます。
手元のパソコンにインストールされていない場合は、Googleのクラウドサービスなどを利用すれば対応可能です。
アプリ版の無料のエンディングノート
近年ではスマートフォンで利用できるアプリ版のエンディングノートが人気になっています。
無料で利用できるものもあるので、いくつか紹介しましょう。
入手方法
無料のエンディングノートのアプリは、スマートフォンの画面上から設定された項目に入力していくことでエンディングノートと同じ内容を残しておくことができるサービスです。
文字の他に写真や音声、動画などが保存できるようになっているものもあり、手軽で便利に利用できます。
無料で利用できるアプリを「3つ」紹介しますので、興味があれば利用してみてください。
メリット、デメリット
近年ではひとり1台の割合でスマートフォンを利用しています。
手元の自分のスマートフォンの画面から操作できるので、手が空いているときに気軽に記録が残せます。
修正や差し替えも簡単です。
デメリットとして、アプリの入力項目はすでに決まっているので、手書きのような自由度はありません。
また、アプリによっては無料で使える機能は限定されていて、本格的に使うには費用が掛かるものもあるので、注意が必要です。
無料のエンディングノートの活用法
エンディングノートの主な目的は、自分の死後、家族が対応に困らないように記録を残しておくということですが、利用の仕方によって違った活用法もあります。
エンディングノートの活用法について解説します。
備忘録として記録する
親せきや友人、かかりつけの病院などの連絡先をまとめておくことで、いざという時の連絡帳としての役割を果たします。
また、各種暗証番号などのメモ先としての利用の仕方も可能です。
ただし、連絡先の個人情報や暗証番号などは重要な情報ですので、保管には十分注意する必要があります。
自分の人生を振り返る
自分の人生を振り返って整理することで、やり残したことやこれからやりたいことが見えてくるでしょう。
懐かしい思い出を記すことは、家族にとっても大切な記録となって残ります。
家族への感謝のメッセージを記す
日頃なかなか使えることができない家族への感謝の想いを記しておくとよいでしょう。
口に出して言えないことも、ノートに書き残しておくと残された家族にも想いは伝わります。
無料のエンディングノートを書くポイント
無料のエンディングノートを入手して、いざ書こうと思ってもなかなか書けないという方もいるかもしれません。
ここでは、エンディングノートを書くポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
書き方に決まったルールはない
エンディングノートには決まった書き方のルールは一切ありません。
自由に書き記しておけばOKです。
文章が苦手な方であれば、箇条書きでも問題ありませんし、手書きの場合には、イラストを入れて楽しく書くのもよいでしょう。
スマートフォンのアプリには、動画で残しておけるものもあるので、活用するのもおすすめです。
何度でも書き直しOK
エンディングノートは何度でも書き直しがOKです。
自分の死後、家族が読むことを考えて、素敵な文章を残したいと考えているといろいろ悩んで進められなくなるかもしれません。
まずは、メモのようなものでもよいので、とりあえず書き進めておくとよいでしょう。
ひととおり作成した後に、気になるところを修正していく方法をおすすめします。
元気なうちに書いておくのがおすすめ
無料のエンディングノートに記入する項目は、必要最低限に絞られていますが、実際に書く場合には調べたり確認したりしなければならないこともあります。
時間があるときにやればいいと後回しにしておくと、体力や気力が衰えて億劫になる可能性が高いです。
身体も頭も健康で元気なうちに取り掛かり、早めに書き上げておくのがおすすめです。
無料のエンディングノートの注意点
せっかく書いたエンディングノートを活用するために、注意点を事前に確認しておきましょう。
法的な効力はない
エンディングノートに記載した内容は、法的な効力はありません。
遺産分割の方法などの重要なことについて意思を残す場合は、法的な効力がある遺言書を作成しましょう。
遺言書の書き方には法律によって規定があるので、専門家と相談して進めるのがよいでしょう。
家族に存在を知らせておく
自分の死後に家族に見てほしいと思ってエンディングノートを作成しておきながら、家族がその存在を知らなくては意味がありません。
書いた内容を見せる必要はありませんが、存在は知らせておき、どこに保管してあるかも伝えておくようにしましょう。
保管場所には注意が必要
エンディングノートには、財産に関することや重要な個人情報などが多く記載されています。悪意がある他人に渡ってしまうと大きな問題になりかねません。
安全な場所に保管し、紛失したり誤って廃棄したりしないようにしておくことが重要です。
【無料で入手できるエンディングノートとは?】入手方法や活用法を解説 まとめ
これだけエンディングノートが知られるようになり多くのメリットがありながら、実際に書いた人は1割にも満たないとのことです。
きちんとしたものを書かなければいけないと思うと手が進みませんので、まずは無料のエンディングノートを入手して気軽に書き始めてみてはいかがでしょうか。
ひととおり書いておくと安心です。
気になるところは後から訂正しても問題ありません。
元気なうちに進めておくことをおすすめします。