以前、ふるさと納税の返礼に「お墓参り代行」や「空き家の管理」、「高齢者の見守り」などの新しいサービスが誕生しているという記事を掲載しましたが、また1つユニークな納税返礼品をみつけました。それは「永代供養権」を付与するというものです。
24万円の寄付で手に入る
提供しているのは長野県の小諸市。位置関係を簡単にご説明すると長野県の東部、NHK大河ドラマ『真田丸』の舞台にもなった上田市と、避暑観光地軽井沢町の間(東から軽井沢町⇒御代田町⇒小諸市⇒東御市⇒上田市となります)にあります。同市が全国で初めて、公営墓地の永代使用権を「信州小諸・さわやか埋葬権」としてリリースしたのは2018年の2月でした。ふるさと納税として小諸市に24万円以上寄付することで、市が運営する公用墓地「市営 高峯聖地公園」内にある、合葬式墓地の永代使用権がもらえるというものです。
便利なアクセス
小諸市は、浅間山の南斜面側に位置し壮大な姿を間近に見ることができます。また市の中心部を千曲川が流れ、小諸城址である「懐古園」は桜や紅葉を見るため多くの観光客も訪れる、穏やかで自然あふれるまち。秋には地物の松茸も有名です。また、東京からは160km程度で、中央自動車道を使えば都心から2時間程度、北陸新幹線を利用する場合は軽井沢ないし上田から「しなの鉄道」に乗換えて30分程度と交通の便も良いところに位置しています。
市の管理は安心かつ無料
運営は市が行っているので、民間の墓地・霊園と異なり、破綻したり何らかの理由で消滅したりする心配がありません。墓地の清掃や、樹木の整備、建物の維持管理も市の予算で賄います。そのため、民間では当たり前のように発生する年間の管理料が無料ということも、魅力の1つです。
早速話題に
少し遠いとはいっても、お墓参りのついでに観光も楽しむことができる、墓参ツーリズムとでもいう新しい形が生まれるかもしれません。宗教法人が主体ではないので、宗教・宗派は問いません。そして生前申込みも可能ということで、日経新聞によるとこのサービスがリリースされた約2カ月後には、県内外からの問い合わせや資料請求が20件に達し、申込みも3口あったそうです。市は予想以上の反響の大きさに、返礼サービスだけでなく、市民以外への永年供養の販売も検討し始めたのだとか。
「お墓がない」という記事やリポートを見ることが、ホントに増えています。都市部は土地がないのですが、地方にはまだまだ未活用の土地が余っています。地方創生の掛け声だけで、中々成果は出ていないのではないかと思いますが、このようなアイディアが都市と地方を結びつけていくのかもしれません。