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おひとりさま 終活 のサポートは民間サービスとしても広がるのか?

2020年08月31日

先日公開した「おひとりさまだからこそ終活を」では、一人暮らしで孤独死を迎える可能性が高い高齢者が増える中で、一人暮らしの高齢者の方こそ終活が必要だという内容を記事にしました。その中で自治体が、おひとりさま終活のサポートに乗り出していることも。記事の中では、一人暮らし高齢者の世帯数が全世帯の28.8%にものぼっていることにも触れましたが、この数は実に膨大です。つまりそれだけ大量のニーズが存在していることになる。しかし、民間のサービスが数多く誕生しているように思えません。なぜなのでしょうか。

おひとりさま終活をサポートする民間サービス

現在、おひとりさま終活サポートといえる民間企業のサービスとしては、次のようなものを見つけることができます。

  • イオンライフの「身元保証」

「イオンの終活」を手掛ける「イオンライフ(千葉市)」が手掛けるサービスで、スタートは2016年からとこのジャンルの草分けに近い存在です。一般社団法人「シニア総合サポートセンター(東京都港区)」と提携し、生前は身元保証が必要な場面(賃貸住宅入居、病院入院など)での保証人となる業務、週1回の安否確認や電話での健康相談などを提供。死後の葬儀、納骨、死後事務処理などがオプションでつきます。初期費用は83万3,333円(税別)で、2年目以降は年額9,259円(税別)の年会費制。

  • NPO法人が手掛ける死後事務委任

有名なところは「りすシステム」(東京都千代田区)や「きずなの会(名古屋市)」などです。死後事務委任契約に加えて身元保証や生活支援・葬送支援などのサービスがあります。費用はプランによって異なり、100万円を超える場合もあるようです。

  • 三井住友信託銀行の「おひとりさま信託」

金銭信託型と生命保険型の2つのタイプがあり、いずれも預け入れた資金を元手に、葬儀や埋葬、ペットの世話、家財等の処分などおひとりさまが亡くなった後の身の回りの処理を代行します。生前の安否確認、エンディングノートの作成サポートもサービスに含まれており、死後事務は同行が設立した一般社団法人「安心サポート(東京都)」が担当します。

  • 鎌倉書店の「いい生前契約」

「鎌倉新書(東京都中央区)」が2019年から始めたサービスですが、サービス開始時にはメニューとしてあった葬儀や墓地の生前契約を外して、今年からは行政書士を介して行う、死後事務委任契約と公正証書遺言作成サービスに限定することになったようです。

民間にはハードルが高い?

終活に関連する民間のサービスについて書いたのは次の記事です。

「死後事務」という言葉を聞いたことありますか?結構厄介なんです。生前からの準備が必要かも

ペット のための 終活 その1「ペット信託」

ペット信託は、必ずしもおひとりさまの終活に限るわけではないですが、その記事で書いたようにペット信託は民事信託の1つです。民事信託の制度を活用して生前に資金を信託することで、自分の死後、自分の身の回りの処分や整理を、希望通りに行ってくれることを委託できるということから、おひとりさまの終活に対するサービスにもなりえます。

現在の制度上、自分の死後、家族や親族ではない第三者に、自分に関わることの処分を託すことができるのは、上記のとおり「死後事務委任契約」と「民事信託」しか存在しません。いずれ契約行為であること、そして「おひとりさま」であっても、亡くなった後に遺族が現れる可能性もあること、を考慮した場合に、それなりに深い法的な知識が必要となりために気軽に民間企業が参入するのは、どれだけ高いニーズがあっても難しいのかもしれません。

 

民間企業が展開するとしたら、それはボランティアではないビジネス的な視点がどうしても求められます。多額の資産をお持ちの身寄りのない一人暮らし高齢者の方もいるでしょうが、それは稀ではないかと思います。生前に自分の死後のことを有償で託す余裕がない高齢者の方のほうが多いのであろうことを考えると、やはり、国や、自治体、つまり行政の対応に期待するしかないのかもしれませんね。