エンディングノートは終活とともに社会に浸透しました。
現在では9割の人がエンディングノートのことを知っているという調査結果も出ています。
エンディングノートに記載された項目を記入していくことで、自分の「人生を振り返る」ことができ、自分の「財産」や「死後」のこと、「人間関係」等の記録を残しておき、家族に負担をかけないようにすることができます。
様々な人たちからのニーズに対応する形で、現在では多種多様なエンディングノートが発行され、書店や文具店などで購入することができます。
こうした市販のエンディングノートの他に、無料で入手できるエンディングノートが高齢者サービスや販促の一環として配布されています。
「無料のエンディングノート」には、
- 自分で書き込む冊子タイプ
- PDF、ワード、エクセルなどのデータをダウンロードして活用するタイプ
- スマートフォンやタブレットで利用できるアプリタイプ
の3種類があります。
3種類それぞれ特徴があり、「メリット・デメリット」がありますので、利用する場合には目的に応じて自分が使いやすものを選ぶといいでしょう。
エンディングノートを書く際には、記載項目が多岐に渡り、調べなければ書けないこともあるので、 早めにスタートするのがおすすめです。
書いた後も、しっかりした場所に保管し、家族にはエンディングノートの存在を知らせておきましょう。
多くのメリットがあるエンディングノートですが、実際に書いている人はまだ少ないのが現実です。
「無料のエンディングノートから気軽に始めてみてはいかがでしょうか。」
エンディングノートについては、こちらの記事にまとめています。
⇒ ご参照ください。
目次
無料のエンディングノートとは
エンディングノートのことは知っていても、無料のものがあることを知らない人も多いようです。
ここでは、「無料のエンディングノートについて解説」します。
無料のエンディングノートの種類
無料のエンディングノートには「3種類」あります。
自分で書き込む「冊子タイプ」、パソコンを使ってダウンロードしワードやエクセルで入力したり、PDFを「印刷して書き込んだりするタイプ」、そしてスマートフォンやタブレットにインストールして使う「アプリタイプ」です。
無料のエンディングノートは、自治体の高齢者向けサービスとして提供されている他、葬儀社などの事業者が販売促進を目的として配布しています。
無料のエンディングノートについては、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
無料のエンディングノートはどこで入手できるのか、入手方法
自治体で配布している冊子のエンディングノートは、役所の高齢者向け部署の窓口等に置いてあるほか、地域内の社会福祉協議会などの公共施設で入手できます。
ただし、冊子タイプのものはコストがかかることから、配布している自治体は限られているので確認してみてください。
葬儀社などで提供している冊子タイプのエンディングノートは、「資料請求した人への特典サービス」です。
ウェブサイトや電話で資料請求すると、「資料と一緒に送付」されます。
PDF、ワード、エクセルなどのデータをダウンロードするタイプは、「自治体や、福祉サービス団体、葬儀社などのウェブサイトにデータが掲載」されています。
アプリタイプのエンディングノートは、「サービスを提供している企業のウェブサイトの他、AppStoreやGooglePlayからインストール」することができます。
無料のエンディングノートのメリット・デメリット
無料の冊子タイプのエンディングノートは、「入手すればすぐに書き込めるというのがメリット」です。
ただし印刷、製本、輸送に「コストがかかる」ため配布しているところは限られており、現在配布しているところでも数量を限定していることがあります。
有料のものと比較して、基本的な内容は掲載していますが、記載項目を絞りページ数を減らしてコストを抑えています。
ダウンロードして利用するタイプは、インターネットに接続しているパソコンがあればすぐに入手できるという「手軽さがメリット」です。
しかしながら、ダウンロード、入力、印刷といった作業は、パソコンを日頃から使い慣れていれば問題ないですが、そうでない方にとってはハードルになります。
また対応するソフトが手元のパソコンにない場合は、別途インストールしたり、代替ソフトを利用したりする必要があります。
アプリタイプは、スマートフォンやタブレットでいつでも「どこでも利用できる」手軽さが便利です。
また、テキストの他に写真や動画も残せるという機能があるものが多いです。
その一方、無料サービスが突然終了したり、付加サービスを利用するには有料契約が必要になったりする場合もあるので、確認が必要になります。
タイプ別おすすめの無料エンディングノート
無料のエンディングノートのうち、「タイプ別のおすすめのものを紹介」していきます。
おすすめの冊子タイプのエンディングノート
横浜市の各区では冊子タイプの無料エンディングノートを窓口で配布していますので、お住まいの方は確認してみてください。
葬儀社や斎場を紹介・仲介している「小さなお葬式」では、資料請求した方に、資料と同封してエンディングノートを送付しています。
おすすめのダウンロードタイプのエンディングノート
PDF、ワード、エクセルなどのデータを手元のパソコンにダウンロードし活用できるタイプのエンディングノートは、多くの自治体から提供されています。
自治体が提供している無料のエンディングノートには、その地域で受けられる高齢者向け福祉サービスについて詳しく記載されているので、手元にあると便利です。
葬儀社や高齢者向けサービスを提供している企業や団体のなかにもエンディングノートのデータを公開しているところがあります。
無料配布・ダウンロードで入手できるエンディングノートについては、こちらの記事にまとめています。ぜひご覧ください。
⇒「無料配布・ダウンロードで入手できるエンディングノートの活用法とは?」
「日刊葬儀新聞社」では、130ページとボリュームのあるエンディングノートのデータをダウンロードできるように公開しています。
「ラプラージュ綜合法務事務所」で提供しているエンディングノートには財産・相続・後見制度の利用など、家族に残しておきたい情報が豊富に記載されています。
新しい形の葬儀や仏具を扱っている「百人百想」のサイトでは55ページ中、自分史の内容が31ページにもなっています。
コンパクトで記入しやすい構成で作られています。
おすすめのアプリタイプのエンディングノート
三菱UFJ信託銀行が提供している「わが家ノート」にはエンディングノートとしての機能が付いており、資産に関する情報を中心に、医療、介護や葬儀のことなどを入力することができます。
文字だけでなく、写真や動画も残しておくことが可能です。
データはあらかじめ設定した家族と共有することができる仕組みとなっています。
「エンディングノート ~絆~ Free」はアンドロイド版のみで、無料サービスと有料サービスを提供しています。
機能はシンプルですが、必要項目は揃っています。
「はいから100年ノート」は自分に関する情報や財産についての記録を、あらかじめ設定した人にのみ閲覧権限を与える仕組みになっています。
情報開示には費用がかかります。
無料のエンディングノートの選び方
無料のエンディングノートには様々な選択肢があります。
「どのように選べばいいのか考えてみましょう。」
目的に合わせて選ぶ
まずは、「エンディングノートがどのようなものか中身を見てみたい」という方は、手元のパソコンでPDFのエンディングノートのデータを開いてみるといいでしょう。
「時間をかけてじっくりとエンディングノートを作り込んでいきたい」方、できるだけ多くの情報を入れ込みたいという方には、項目数が多く用意されているダウンロードタイプのエンディングノートが適しています。
「お住まいの地域での高齢者向けサービスをひととおり確認したい」という方は、自治体のホームページで無料エンディングノートが入手できないかどうかを確認してみてください。
形態によって選ぶ
無料のエンディングノートは、「冊子タイプ」、「ダウンロードタイプ」、「アプリタイプ」の3種類あります。
手書きで書き込んでいきたい方は、冊子タイプのエンディングノートを入手するか、PDFのデータをダウンロードし印刷して書き込んでいきます。
パソコンを持っていない場合はスマートフォンでアプリタイプを利用するといいでしょう。
日頃からパソコンを使い慣れている方は、ダウンロードタイプで入力するほうが書き込みやすいかもしれません。
パソコンはあるけれど、プリンターがないという方はワードやエクセルのエンディングノートのデータに入力して残しておくようにするといいでしょう。
無料のエンディングノートを書くコツ
エンディングノートには、自分のこれまでのことを振り返り、人間関係を見つめ、資産状況をチェックしたうえで、今後の医療介護や死後のことを記していくということである程度の時間や手間がかかります。
なんとか途中で挫折せずに書くためには、どういったコツがあるか確認しておきましょう。
書き方は自由
遺産相続のことを記した遺言書には、既定の書き方がありますが、エンディングノートの書き方は自由です。
死後に家族が見るからといって、いい文章を書こうとするとなかなか書き進めることができず、途中で挫折する可能性があります。
書き方にこだわらず、メモのような書き方でもいいので、どんどん書き進めて後から修正するやり方をおすすめします。
書き直しOK
エンディングノートは、何度でも書き直しOKです。
遺言書のような修正の仕方の規定はありません。
まずは、ひととおり書き込んで仕上げておいて、そこから違っているところや、変更したところを修正すると書きやすいでしょう。
1回目で完成させようとすると、心理的にも「億劫になりがち」です。
早めに書くのがおすすめ
エンディングノートに書く内容は多岐に渡り、調べないと書けないこともあります。
また家族や知人へのメッセージを書こうとすれば、過去のことを思い出しながら、何度か書き直しながら文章を書いていくことになるでしょう。
もっと歳をとってからやるものだと後回しにすると、よけいに大変になります。
早めに着手しておくことがおすすめです。
無料のエンディングノートを書く注意点
多数のメリットがあるエンディングノートですが、いくつか注意しておかなければならないことがあります。
確認しておきましょう。
法的効力はない
エンディングノートには遺言書のような法的な効力はありません。
そのため、こうしてほしいと書いてあることは本人の希望ではありますが、もしできなかったからといって、法的に強制することはできないので注意しましょう。
財産を自分の考えの通り相続させるには、きちんとした遺言書を作成する必要があります。
保管はしっかりした場所に
エンディングノートには、自分の資産のことや他人に知られては問題になるような個人情報が多く含まれることになります。
誤って紛失したり、「他人の手に渡ったりするようなことが発生しないよう」、しっかりした場所に保管しましょう。
家族に存在を知らせておく
自分の死後、家族に見てもらいたいメッセージ等を書いておいたにもかかわらず、家族がエンディングノートの存在を知らなかった、数年後に見つかったがもう遅かった、というケースはよく聞かれることです。
そういったことを防ぐためも、エンディングノートを書いたことは家族には知らせておき、保管場所も伝えておくほうがいいでしょう。
まとめ【おすすめの無料のエンディングノート】タイプ別の特徴とは?
エンディングノートのことは多くの方が知るようになりましたが、実際に書いている人はまだまだ少ないようです。
無料のエンディングノートは、「簡単に入手でき、気軽にスタートできるもの」です。
まだまだ先のことだからと思っていると、次第に億劫になっていきます。
もし興味があるという方は、無料のエンディングノートを入手してどういったものか見てみるところから始めてみてはいかがでしょうか。